鈴木マキコ(夏石鈴子)さんに聞く、新明解国語辞典の楽しみ方

新明解国語辞典を読むために その6 用例 第7回

筆者:
2022年6月17日

前回からのつづき)

 

p.74「いじょう【以上】」語義🈔

p.284「がつがつ」

それを頼もしい、と思う人もいる。

p.1144「どんどん」語義㊁

p.135「うばう【奪う】」語義㊀

それは、だめ。

p.1320「ひとつまみ【一抓(み)】」

もっと欲しいです。

p.1264「はで【派手】」

普通でいいです。

p.1042「つよみ【強み・強味】」

まあ、無いよりは強い。それは本当です。

p.851「せこい」

p.135「うなる【唸る】」語義㊁

語釈は「内にたくわえられた力が、発揮する場所を求めている。」金は、力を発揮する場所を求めているのですね。

p.595「さしあたり【差(し)当(た)り】」

p.596「さしせまる【差(し)迫る】」

それを、わたしに言わないで下さい。

p.1448「ぽっきり」

布団でも帯でも、そう言われても買わないほうがいいです。

どうして、こんな風に具体的な金額が出てきたり、お金についての用例が多いのか、よくわかりませんでした。最近、やっと「もしかしたら」と感じたことがあります。生きている人間は、必ずお金を使います。だから、お金についての感覚は、用例に使うと実感しやすいかもしれません。だから、用例でお金についてあれこれ言っているのかな、と思いました。お金については、今後も調べていきます。

さて「金の切れ目が縁の切れ目」と言います。

p.403「きれめ【切れ目】」

「(一度)」に、秘めた可能性を感じます。実に行き届いたことだ。

p.1580「やぼう【野望】」
p.1552「もくろみ【目論見】」
p.1601「ゆめ【夢】」

わたしとしては、「今後も良い物件を見つけるから、その時は原稿を書いてしまうし、一年続いたこの連載が本にならないかな?」と思っています。いつかどこかで、みんなで一緒に新明解国語辞典を引いて、楽しめるといいです。それでは一度ここで終わります。

 

筆者プロフィール

鈴木マキコ ( すずき・まきこ)

作家・新解さん友の会会長
1963年東京生まれ。上智大学短期大学部英語学科卒業。97年、「夏石鈴子」のペンネームで『バイブを買いに』(角川文庫)を発表。エッセイ集に『新解さんの読み方』『新解さんリターンズ』(以上、角川文庫)『虹色ドロップ』(ポプラ社)、小説に『いらっしゃいませ』『愛情日誌』(以上、角川文庫)『夏の力道山』(筑摩書房)など。短編集『逆襲、にっぽんの明るい奥さま』(小学館文庫)は、盛岡さわや書店主催の「さわベス2017」文庫編1位に選ばれた。近著に小説『おめでたい女』(小学館)。

 

編集部から

『新明解国語辞典』の略称は「新明国」。実際に三省堂社内では長くそのように呼び慣わしています。しかし、1996年に刊行されベストセラーとなった赤瀬川原平さんの『新解さんの謎』(文藝春秋刊)以来、世の中では「新解さん」という呼び名が大きく広まりました。その『新解さんの謎』に「SM君」として登場し、この本の誕生のきっかけとなったのが、鈴木マキコさん。鈴木さんは中学生の時に出会って以来、長く『新明解国語辞典』を引き続け、夏石鈴子として『新解さんの読み方』『新解さんリターンズ』を執筆、また「新解さん友の会」会長としての活動も続け、第八版が出た直後には早速「文春オンライン」に記事を書いてくださいました。読者と版元というそれぞれの立場から、これまでなかなかお話しする機会が持ちづらいことがありましたが、ぜひ一度お話しをうかがいたく、このたびお声掛けし、対談を引き受けていただきました。「新解さん」誕生のきっかけ、その読み方のコツ、楽しみ方、「新解さん友の会」とは何か、赤瀬川原平さんとの出会い等々、3回に分けて対談を掲載いたしました。その後、鈴木さん自身による「新解さん」の解説記事を掲載しております。ひきつづき、どうぞお楽しみください。