どういう意味?
「何かを分割したもののうち、ひとつの部分」のことです。
もう少し詳しく教えて
セグメント(segment)とは「何かを分割したもののうち、ひとつの部分」をさす言葉です。「何かを分割する」という意味が強く意識されるところが特徴で、この点が「単なる部分」を表すパート(part)と大きく異なります。例えばミミズの体節(前後に連なる同じ構造の部分)やミカンの実のひとつひとつは、全体を分割したもののひとつなので、セグメントと考える事ができます。またマーケティングの世界では、「消費者全体を何らかの基準で分けた同質なグループ」のことをセグメントと呼んでいます(子供市場と大人市場を分ける方法など)。これらのいずれも「何かを分割する」ことが強く意識されるのです。
どんな時に登場する言葉?
幅広い分野で登場する語です。例えばマーケティングの分野では「消費者全体を何らかの基準で分けた、同質なグループ」のことをセグメントと呼んでいます。また経営の分野では、企業グループの財務状況を事業別・地域別などによって区分して算出・開示する情報のことを「セグメント情報」と呼んでいます。さらに情報通信の分野でも、CPU・ネットワークケーブル・デジタル放送など、さまざまな技術分野においてセグメントの語が用いられています。
どんな経緯でこの語を使うように?
古くから使用されている言葉のようです。
セグメントの使い方を実例で教えて!
セグメントに分ける/分割する/区分する
全体をいくつかの部分に分けて考えるとき、これを「セグメントに分ける(分割する/区分する)」と表現することができます。「我が社の顧客層を、大企業・中小企業・個人の三つのセグメントに分けて考える」などの用例があります。
セグメンテーション(segmentation)
また、何かをセグメントに分ける行為(=セグメント化)や、セグメントそのもののことを「セグメンテーション」と呼ぶ事も出来ます。「我が社の顧客層を、セグメンテーションによって大企業・中小企業・個人の三つの分野に分けて考える」などの用例があります。
セグメントする
かなり俗っぽい用法ではありますが、何かをセグメントに分ける行為のことを「セグメントする」と表現する人も多いようです。「我が社の顧客層を、大企業・中小企業・個人の三つの分野にセグメントする」などの用法があります。
セグメント情報
企業グループの中には、自身の財務状況を事業別・地域別・国内外などによって区分してまとめた情報を開示するところがあり、これを「セグメント情報」と呼んでいます。投資家や証券アナリストは、この情報を分析することによって、その企業が「どの事業で」あるいは「どの地域で」収益を上げているのかを知る事が出来ます。例えばある有名電機メーカーでは、事業別の区分として「映像情報機器」「家電製品」「半導体などの部品」「産業機器」などの項目を定めて、それぞれの財務状況を公開しています。
マーケットセグメント
マーケティングの分野では、「消費者全体を何らかの基準で分けた、同質なグループ」のことをセグメントと呼んでいます。これを特に、マーケットセグメント・市場セグメントと呼ぶ事もできます。例えば女性誌の世界では、「ティーンエイジ・学生・未婚・既婚・中高年」などの基準で分けられたマーケットセグメント(=読者層)が想定され、それぞれに適した内容の雑誌が編集・発行されています。
ワンセグ
地上デジタル放送(地デジ)を携帯電話やカーナビなどのモバイル機器に向けて送信するサービスのことを「ワンセグ」といいます。これは「ワンセグメント放送」を略した言葉です。地上デジタル放送では、ひとつのチャンネルを13のセグメントに分けて送信する仕組みになっています。このうち12セグメント分は通常のテレビ放送に用い、1セグメント分をモバイル機器向けに用います。ワンセグメントと呼ばれるのはこのためです。ワンセグは2006年4月に放送を開始して、同年12月には全都道府県での放送も始まりました。
言い換えたい場合は?
漢字の熟語による最も近い表現は「分節」だと思われます。「分節」とは「全体をいくつかの部分に分けること」や「その部分」のことをさす言葉です。しかしながら一般には「部分・区分」などの語を用いるのが分かりやすいでしょう。このほかセグメントを言い換えるには、「細分・切片・断片」などの語を用いることができます。
雑学・うんちく・トリビアを教えて!
数学の segment に気をつけろ 数学の図形では、segment の語がさまざまな意味で登場します。例えば、線分(有限の長さを持つ直線)のことや、弓形(円の弧とその弦から出来ている図形)のこと、さらには円弧(円の一部を切り取った部分)のことが、それぞれ segment と呼ばれます。それぞれ「何かを分割した部分」である点が共通しているのですが、具体的な形がまるで違います。