時候のあいさつ

しょ とう 【初冬】

2007年11月9日

どういう意味?

『大辞林 第三版』には「①冬のはじめ。はつふゆ。[季語]冬。「 ─ を思わせる寒さ」②陰暦10月の異名。孟冬。」とあります。

もう少し詳しく…

「初秋」(バックナンバー8/24)「仲秋」(バックナンバー9/12)「暮秋」(バックナンバー10/10)にもあるように、陰暦では春夏秋冬それぞれに「初~」「仲~」「晩~」とつけると月の表示となり、『大辞林』のような記述となります。「初」がつく月はその字の通り季節のはじめをあらわします。
「孟」も「初」と同様で、『全訳漢辞海 第二版』によると「四季で、それぞれの三か月のうち最初であるさま。《孟・仲・季の順》「孟春(=正月)・仲春(=二月)・季春(=三月)」「孟夏(=四月)」「孟秋(=七月)」「孟冬(=十月)」」とあります。

いつごろに適したことば?

今年は11月10日が陰暦10月1日にあたります。そのころから、12月上旬までに適しています。

使用例は?

「初冬の候」「初冬の砌(みぎり)」など

似た表現は?

「小春の候」「孟冬の候」などの「小春」「孟冬」は陰暦十月を表しますので、同様の使い方ができます。

ちなみに…

陰暦十月の異名

『三省堂WebDictionary』(*)は全文検索が可能です。「暮秋」(バックナンバー10/10)でやったように、陰暦10月の呼び名を調べてみると、「神無月」「小春(こはる・しょうしゅん)」「小六月」「時雨月」「初霜月」「陽月」が出てきます。
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筆者プロフィール

三省堂編修所

編集部から

「時候のあいさつ」では、手紙やビジネス文書でよく使う季節のことばを取り上げ、その語の意味や、どんな時期に適したことばかを解説します。