どういう意味?
「さまざまな情報内容を、さまざまな手段で、伝え合うこと」です。
もう少し詳しく教えて
コミュニケーション(communication)とは「さまざまな情報内容」を「さまざまな手段」で「伝え合う」ことを総称する言葉です。つまり「意思・感情・思考などのさまざまな情報内容」を「言葉・身振りや手振り・表情・通信技術などのさまざまな手段」を用いて「互いにそれらを伝え合う」ような状況が、コミュニケーションと総称されるわけです。「彼氏がプロポーズの言葉を言って、彼女が黙ってうなずく」ような場合も、「久しく会っていない友人と、電子メールで連絡を取り合う」ような場合も、コミュニケーションの仲間だということになります。なおコミュニケーションを行う存在は「人間どうし」とは限りません。実際、技術分野では、communication の訳語として「通信」の語が用いられています。
どんな時に登場する言葉?
情報伝達や意思伝達などが話題になるあらゆる分野で、この語が用いられています。例えば言語学などの分野では、どんな手法で情報伝達が行われるかによって「非言語コミュニケーション」「オーラル(口述の)コミュニケーション」などの語が使用されます。また広く一般社会でも、意思疎通が行われるグループの種類によって「組織内コミュニケーション」「異文化コミュニケーション」「世代間コミュニケーション」などの語が用いられます。このような意思伝達を図る能力のことを「コミュニケーションスキル」「コミュニケーション能力」などとも呼びます。
一方、情報通信の分野でも communication の語が登場しますが、これは「通信」を意味します。例えばテレビ放送方式の一種としても知られるCS(通信衛星)は、communication(s) satelliteの略語です。
どんな経緯でこの語を使うように?
各分野で、古くから用いられている語のようです。
コミュニケーションの使い方を実例で教えて!
コミュニケーションをとる/図る
異なる立場の人が、何らかの手段によって、意思や感情などの疎通を図る場合、「コミュニケーションをとる/図る」と表現することができます。「親子のコミュニケーションを図る」などの用法があります。
マスコミュニケーション
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などのことを、俗に「マスコミ」と呼んでいますが、これはマスコミュニケーション(mass communication)の略語です。「不特定の大衆に大量の情報を伝達すること」や「そのような媒体」をさします。このような媒体を、特にマスメディア(mass media)と言う場合もあります。マス(mass)は集団・大量・大衆などを意味する言葉です。
コミュニケーションツール
情報通信の分野では、人間どうしが連絡を取り合うためのあらゆるツール(道具)のことがコミュニケーションツールと呼ばれます。電話・ファックス・電子メール・ウェブページなど、さまざまなツールが使用されています。
言い換えたい場合は?
「伝達・疎通・連絡」などの語を、状況に応じて使い分けてみて下さい。伝えられる情報内容に注目する場合は「意思の疎通」「感情のやりとり」などのように表現することができます。また「コミュニケーションをとる/図る」は、「意思の疎通をとる/図る」などの表現で代替することが可能です。なお技術分野では communication の訳語として「通信」の語が定着しています。
雑学・うんちく・トリビアを教えて!
新しいコミニュケーション 「コミュ」の発音が日本語話者には難しいためか、はたまた字面がややこしいためか、一部の人の間でコ「ミニュ」ケーションの発音や表記が定着しているようです。このような現象を音位転倒(または音韻転倒)といいます。「シュミ」レーション(正しくは「シミュ」レーション)も音位転倒の代表例です。このような音位転倒語の中には「あたらし・い(古くは、あらたし)」のように、日本語の中で定着してしまったものまで存在します。
ディスコミュニケーション 意思の疎通が成り立たない様子を、俗に「ディスコミュニケーション」と表現しますが、この言葉、実は和製英語です。英語でこの語を用いた場合、英語話者とのディスコミュニケーションに悩まされるかもしれません。こんな時はコミュニケーションギャップ(communications gap)の表現を使用してみてください。