日本語では、他の言語に比べて音の種類が少ないので、同音異義語が多くなりがちです。この性質を積極的に利用したのが、和歌の世界の懸詞・縁語ということになります。が、そこまで高尚にならずとも、私たちは、日常会話でも十分にこの性質を利用して、駄洒落や語呂あわせなどの「ことばあそび」を楽しんでいますね。
方言を題材にしたものでは、島田陽子さんの手になる大阪弁をモチーフにした作品のあのフレーズがあまりにも有名ですね。
ちゃうちゃうちゃう?〔=(中国原産の犬の)チャウチャウではないかしら?〕
ちゃうちゃうちゃう!〔=チャウチャウではないですよ。〕
当地・信州にも、割とよく知られた次のような言い回しがあります。
せったせったせうけど 〔=言った言ったと言うけれど〕
せったせばせわねせうし 〔=言ったと言えば、言わないと言うし〕
せわねせばせったせうし 〔=言わないと言えば、言ったと言うし〕
せったかせわねかせってみろ〔=言ったか言わないか、言ってみなさい〕
「せう」は、「言う」の意味で、早口言葉のように一気に唱えてみると、その場が結構盛り上がります。
さて、そこで写真の商品にご注目ください。
1998年冬季オリンピックが長野で開催された際に、マスコットとなったオコジョ(イタチ科の小動物)を型どった洋菓子です。オコジョにかけた「おじょこ」は、信州の方言で、「おませな」を意味します。
口に含むと「おじょこ」になるかは、わかりませんが、コーヒーや紅茶にあうスイーツです。
こうした楽しいネーミングの商品は、今後もたくさん「発掘」できそうです。読者の皆様からのご教示も、お待ちしております。