方言は色々な形で楽しまれています。正月にふさわしい遊びのかるたにも、方言を生かしたものがあります。2009年暮れにかつての教え子が新潟弁の新しいカルタを送ってくれました。読み札に方言が使ってあって、小さな字で意味が書いてあります。
新潟弁といえば、前から気になっていたことがありました。北海道の若者の新方言として、「なまら」が「大変」の意味で使われるのですが、離れた新潟県でも同じ言い方をするのです。さっそく新潟弁かるたの読み札をめくりました。ありました!
「なまらでねんて 金銀財宝 掘り当てた」【写真1】
と書いてあります(ふり仮名が余分についているのはサービスと考えましょう)。意味は「ものすごい」です。「大変」の意味の「なまら」は、新潟から北海道に伝わったのだという説があります。このかるた、新潟弁起源の証拠になるでしょうか。
ところで、インターネットで検索すると、「全国郷土かるた資料館」が出てきます。なんと数百点の「全国の郷土かるた」が、県ごとにリストアップされています。丹念にダウンロードして、方言をテーマにしたものを数えたら、2010.1.1版で計72点もありました。
方言を使うかるたは、東北と九州に多くて関東に少なく、37都道府県に見られます。平成期になって多くなったようです。2009年に各地の民間放送局などで出したものが目立ちます。失われつつある方言をいとおしむ気持ちが強くなったことが、底流にあるのでしょう。最近のいくつかはCD付きですので、ランダム再生の機能を使えば、一人でも遊ぶことができます。少子化の時代にはありがたい技術です。
なおこのシリーズでも、第33回 「方言かるた」あれこれ、第35回「方言かるた(おまけ)」でとりあげています。