高速道・上信越道の松代インターを降り、長野市松代町内にはいると、写真のような看板表示が目に飛び込んできます。
お達者でやすか[=お達者ですか]
お変りなしかい[=お変りないですか]
のくといふるさと[=あたたかいふるさと]
明るい松代
松代町出身の方に向けて、帰省の折などに目を止めてもらうことをまず意図しての表現だと思われます。
使われている方言について、若干の解説を付け加えると──、
「やす」は、「です」にあたり、長野市を中心とする北信一帯で使われ、隣接する東信(上田市を中心とする東信州地域)でも使われます。
「のくとい」は、「ぬくとい[=あたたかい]」の「ぬ」と「の」の混同されたものです。
あらためて、表示を見てみると、松代町出身者にしかわからないような語を避け、松代町方言を知らない方にも、比較的わかりやすい表現をしているところがミソだと思われます。初めて町内を訪れる方にも、「ふるさと」のような「ぬくとさ」を感じてもらえるように、観光を軸に町作りを積極的に展開している、同町の心づかいが感じられます。
方言表示ではこれまでに、
恋人捨てても、吸い殻べちゃるな[=捨てるな] 〈東信地域〉
校内でくるわない[=ふざけない] 〈飛騨の小学校〉
を見たとの報告を受けています。が、残念ながら写真がありません。
このエッセー連載のために、町歩きの際にはカメラは必携と痛感しています。