これまで紹介のとおり,「方言メッセージ」の多くが,目立つように大きく示されます。
しかし,注意して見ていないと見逃してしまう,『ワンポイント方言メッセージ』とでも呼べるような例もあります。今回これを2例紹介します。
1例目は,第84回でも触れた,静岡県の「富士宮やきそば」です。最近,マスコミでもよく取り上げられます。富士宮の現地で焼きたてを食べるのが基本ですが,カップ麺(東洋水産株式会社https://www.maruchan.co.jp/products/search/3261.html)やスナック(株式会社おやつカンパニー//www.082.oyatsu.co.jp/product/detailwindow.php?genre=omiyage&imageno=04968)が,静岡県内の観光みやげ店などで販売されています。
「う宮・ウミャー」のメッセージが多くの製品に付けられています。例えば,スナックの箱【写真1】です(カップ麺は第84回で紹介)。静岡県地方の方言で「美味しい」の意の「ウミャー」で,そこに「富士宮」の「宮」を掛けているのも面白い工夫です。企画は,富士宮焼きそば学会//www.umya-yakisoba.com/で,URLにも「umya」が入っています。
2例目は,茨城県の「なっとう味スナック」(石岡市の株式会社メーコウ//www.710379.com/)です。茨城の象徴,水戸黄門と助さん格さんの絵に,茨城の方言のメッセージ「うまかっぺ」が付いています【写真2】。「-ぺ」は確認の意で,メッセージの意味は「美味しいでしょ/美味しいよね」です。「うめ味」と「からしマヨネーズ味」があり,各々で3人の表情や衣装またポーズが異なります。
…ただし,水戸徳川藩主は「江戸定府」(意味や読み方は日本史の勉強のためにもご自分で調べてみましょう)のため,水戸黄門自身が(助さんと格さんも各々別の理由で)水戸の方言を使えたかは?ですが…
皆さんも,方言メッセージについて気にしていると,こういう,小さなものも自然と目に入ってくると思います。
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《補遺》
第86回で,道徳啓発の「方言看板・ポスター類」を考え,不正軽油禁止を呼びかけるガソリンスタンドのレシートの裏面の例と,自殺防止のポスターを紹介しました。
その後,自殺防止のポスターと同じデザインで,パンフレット【写真3】とカード【写真4】も作られて配布されています。