1990年イギリス滞在中に、イギリス各地の方言についての資料を集めました。スコットランド方言のカセットテープが目についたので、発行元Scotsounを訪問することにしました。尋ねあてたら、住宅地の一角の個人の家でした。いろいろ話をうかがい、「経済的に成り立ちますか」と尋ねたら、「興味深い質問です」と答え、具体的な説明をしませんでした。個人の資金をつぎ込んでいるだろうと判断しました。
お別れの記念にヒースの赤い花をくれました。『嵐が丘』でも登場するヒースの花は、実物を確かめたかったのですが、もう季節を過ぎていて、車窓からは見えませんでした。単純に喜んで、ありがたく頂戴し、「赤いヒースは珍しい。大事に飾る」と言ったら、説明してくれました。赤いヒースを手にした人はもう一度その地を訪れることになるそうです。でもその後スコットランドに足を伸ばす機会はありませんでした。
今インターネットでScotsounを検索すると、組織は大きくなり、Scots Language Societyのホームページ(Hame Page)の中にあります。ScotsounはScot soundの方言風のつづりです。解説文のつづりもスコットランド英語を写しています。
//www.lallans.co.uk/audio_cds.html
たくさんのCDが出て、しかもマークのあるCDをクリックすると、スコットランド方言の音声が聞けます。例えば下のページです。
Largo by Sydney Goodsir Smith, read by Neil MacCallum (from SSC 142)
//www.lallans.co.uk/sscd%20069%20-%20Lang%20Syne%20in%20the%20East%20Neuk.html
Scotsounのホームページの中に人物写真がありました。その人に見覚えがあります。20年後にインターネット経由でその地を訪れたわけです。一方的ですが……。
ちなみに、スコットランドの方言みやげも、Googleで“Scottish dialect”と入力して「画像」をクリックすると、実例が見られます。ティータオル、コースター、マグカップ、エプロンなど色々あります。
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スコットランドの方言グッズは手元に適切なものがないので、代わりに北アイルランド、ベルファストのTシャツをお目にかけます。全体と拡大版です。