北国の北海道は涼しいはずですが,先月6月のおしまい,北海道の暑さはすさまじいものでした。特に26日には30年ぶりの記録更新となる足寄の37.1℃をはじめ,帯広,北見など15地点で最高気温35℃以上の「猛暑日」を記録しました。
これで思い出したのが,今から十数年前の夏のことです。1997年7月末,北日本は連日の猛暑に襲われました。そのときの『北海道新聞』の大見出しが「あついっ暑」でした。北海道方言の代表のような,確認の「―ッショ」と「暑」が掛けられているのは,北海道の人ならすぐに分かりますね。
今回は,このように,『方言』と『しゃれ』を併せて使用した方言の有効活用例を取り上げます。
岩手県の方言で,おじいさんを「ジッチャ」,おばあさんを「バッチャ」と呼ぶ地域があります。北部で優勢のようです。
これを,ペットボトルのお茶の名にした商品が,岩手県岩泉町の株式会社岩泉産業開発から発売されています。その名も「じっ茶ばっ茶」【写真1】です。内容は,岩手県産の豆や雑穀を焙煎した烏龍茶です。
もう一つ,第13回で紹介されている,宮城県の「えずこホール」の関連です。これ自体は施設名の方言ネーミングで,第13回で紹介された例の他にも多数あり,最近では特に珍しくはないものです。
このホールの『方言』と『しゃれ』は,ホールの紙のパンフレットにある「いずこの人も えずこに来たれ。」のメッセージ【写真2】です。このホールを活動の場にしている多くの住民創造グループへの参加募集のメッセージで,第13回でもリンクしているインターネットの案内には認められないものです。
また,第43回の「自転車を『降りチャリ、押しチャリ』」も,『方言』と『しゃれ』による,方言看板・ポスター類ですね。
沖縄県那覇市に「ニーフェーデービル」(那覇の方言で「ありがとう」の意)という名のビル(建物)があるという情報も戴いています。これについては現在確認中です。
皆さん,言語の商業的利用には,こういう「楽しみ」もあります。