北海道には方言がないと思っている人が、以前にはいました。しかし、方言みやげはちゃんとあります。去年と今年の夏、続いて札幌に行きました。行動圏はほぼ同じなのに、目にするものは違っていました。方言グッズは転変が激しいのです。
今年新しくコレクションに加えたのは扇子です。たくさんのことばが並んでいたのですが、文字を記してみたら、5種類だけでした。【写真1】
「めんこい したっけねぇ♡ だべ? なんまら わやっ」
ハンカチも4枚同じ売り場にありました。
「めんこい したっけねぇ♡ だべ? なんまら」です。
同じ店で目についたのはTシャツです。それぞれ次の5単語ですが、書き方が違います。
「めんこいしょ♡ したっけね♡ だべさ♡ なまらっ♡ わやっ」
売り場の訳語付きのパネルでは、意味がこう書いてありました。
「かわいい そしたらね でしょう すんごい ひどい」
小樽のみやげ店には当店特製というTシャツがあり、親切に、本体に訳が付いていました。
なまら めんこい(凄くかわいい)
たいした あずましい(とても落ち着く)
しばれて ゆるくない(寒くてつらい)
以上の方言グッズの多くに登場したのが強調語「なまら」です。固有名詞にも採用されています。
無料宣伝誌namara【写真2】
ホルモン焼き店 なまら
また地下鉄吊り広告のパチスロ店の広告に「なまら凄い1週間」とありましたし、観光客向けのリーフレットの呑み屋の広告には「なんまら旨い海鮮丼」と書いてありました。
ちょうどモスバーガーで地域限定の品を出しており、北海道は「ザンギバーガー」(鶏唐あげの北海道弁)。そのトレイシートには「なまら、うまい」と書いてありました。
北海道と新潟で使われている新方言「なまら」。今勢いが強まっているようです。そうなると別の言い方も増殖させます。「なんまら」です。さらに「なんま」が広がっているそうで、2008年にNHK北海道で番組を作りました。街の景観の文字としてはまだ見ていません。目撃した方、教えてください。