方言みやげのコレクションを整理していて、メモ用紙に気づきました。「1993.9.18青森方言みやげ」として、こう書いてあります。「絵はがき(観光1 こども1 マンガ6)、しおり3 手ぬぐい1 のれん2~3 状差し1 貯金箱1 グラス(同デザイン)大小3」。前日に青森市を歩き回って見つけた方言みやげの記録です。
絵はがきは買って、きちんと整理してあります。袋単位でなくはがきの枚数で数え直すと、観光8枚 こども8枚 マンガ40枚、計56枚です。このうちマンガは1970年前後に出たものが元になっていて、最近まで第1集~第4集(40枚)として売られていました。さらに単行本『図夢(ズーム)inつがる弁』に発展しました。
戦前の方言絵はがきは、桜井隆さんのコレクションをスキャナーにかけて、整理してあります。青森のを数えてみたら、37種ありました。8枚セットの一部が欠けたりしていますから、実際にはもっと多いでしょう。
戦後の青森方言絵はがきは、手元に28枚ありました。
以上をグラフにしようとしました。でも時期がばらばらです。調査の間隔を忠実に表わすに、エクセルのグラフの「散布図」を使いました。図をご覧ください。
方言絵はがきは戦前に盛んで、戦後衰え、国内旅行ブームのころ一時復活しました。青森で1990年前後に増えたのは例外で、マンガを活用したおかげです。他の場所ではほとんど見つかりません。実用としてはがきを出す機会が減っているからでしょう。でも実用にならないのは、他の方言みやげも同じかも知れません。
さて、エクセルの「散布図」の作り方。一方の行に調査年を西暦で入れ、次の行に数を入れます。この2行の数値を囲んで、上端ツールバーの「挿入」をクリック、「グラフ」をクリック、「散布図(直線とマーカー)」をクリックすると、図のようなグラフが出ます。
「折れ線」としてグラフ化した図にくらべて、四つの時期のへだたりが忠実に表わされます。「散布図」の適用例は雑誌「日本語学」2012年5月号の「ことばの散歩道」にも載っています。なお「軸のオプション」で「時系列」を選ぶという手法もあります。下記のサイトに出ています。
//oshiete.goo.ne.jp/qa/158509.html
方言絵はがきは、いくつかのインターネットサイトで見られます。「方言絵葉書」で「画像」を検索してください。また関係論文はgoogle scholar(グーグルスカラー)またはCiNii(サイニー)で「方言絵葉書」で検索すると見つかります。