幕末・維新の英傑のひとりとして名高い西郷隆盛。今日では、東京の上野公園にある愛犬を連れた銅像が有名で、一般には「西郷さん」と親しまれていますね。
が、出身地・鹿児島の言葉では、「せごどん」[=西郷殿の転じたもの]もしくは、「せっどん」となり、その名を冠したラーメンが販売されています。
九州らしく、とんこつ味のラーメンですが、開発・命名の意図を、お聞きしてみました。
●「せごどん」と銘打った意図は?
何といっても西郷隆盛は鹿児島を代表する英雄であり、地元では「せごどん」(西郷殿)と呼ばれ親しまれています。弊社の「鹿児島せごどんラーメン」も西郷さんのように鹿児島を代表するラーメンに育ってほしいとの思いから命名いたしました。
また、西郷さんの座右の銘「敬天愛人」を念頭に、天を敬い人を愛すことを心がけ、人の笑顔を思い浮かべながら丁寧に作りました。
●お客様の反応は、いかがですか?
とんこつラーメンでありながら、あっさり味で、老若男女問わず大変喜ばれています。また、どこかなつかしい味だとリピーターが増えています。
●販売の範囲は、鹿児島県以外にも広がっていますか?
日本全国どこでもお送りしております。
「西郷さん」ではなく、敬意をこめた「どん」をつけて「せごどん」と呼ばれているのは、今でも地元の方々に愛されていることを物語っています。
『鹿児島県方言辞典』(橋口満著/桜楓社1987)にも、関連語として、
せごどんのきざ=南洲神社の階段
さいごーぐさ=荒地野菊
さいごぐさ=荒地野菊
さいごぎっ=百日草
さいごばな=百日草
などが挙げられています。
これまでに書かれた伝記類は、まさに汗牛充棟ですが、『日本でいちばん好かれた男』(鮫島志芽太/講談社1978)というタイトルのものもありました。鹿児島発の「せごどんラーメン」の今後に注目です。