山梨県の観光PRのキャッチ・コピーとして、「週末は山梨にいます。」が使われています。
社団法人やまなし観光推進機構作製の紙袋にも、刷り込まれていますが、その紙袋の側面には、「やまなしの方言いろいろ」と題して、50音順に54の単語が掲げられています。
「やまなし方言」を登場させたねらいについて、お話を伺ってみました。
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●「やまなし方言」を紙袋に刷り込んだねらいは、何ですか?
袋のマチを利用して、山梨の宣伝をしたかったからです。
●単語は、どのようにして選ばれたのですか?
機構の職員で考え、よく使われていると判断した方言を選びました。
●反響はいかがですか?
今のところ、特にありません。
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とのことでした。
また、甲府市観光協会作製の「甲府駅周辺まっぷ」でも、「鳥もつ煮食ったら ちょっと 寄ってけし」と、甲州弁で呼びかけています。
近年のB-1グランプリを制し、B級グルメとして、広く知られた甲府の鳥もつ煮を前面に押し出してのアピールです。
お土産品では、山梨方言のガイドブックとして好評を博している五緒川津平太氏著『キャン・ユー・スピーク甲州弁?』(樹上の家出版〈南アルプス市〉2009.3)からスピン・オフした絵はがき・手ぬぐい・ハンカチが目をひきました。
「かじる」[=掻く. 引っ掻く]
「ひっくりかえさ」[=さかさ]
「くむ」[=交換する]
「あのしんとう」[=あの人たち]
「行っちょ」[=行くな]
「からかう」[=時間をかけて修理や作業をする]
これぞ甲州弁という語に加え、気が付きにくい方言(「かじる」「くむ」「からかう」など、共通語と同じ語形でありながら、意味・用法の違うもの)が取りあげられています。