第236回「「方言エール」のまとめー3」で、「表面は意志ですが、“皆さんも一緒に”の気持ちです。」とふれられている「まげねど」を用いた方言グッズがあります。
「ばっぱは、負げねど」[=おばあさんは、負けないぞ!/石巻市などの方言]をあしらった、これらのグッズ(手ぬぐい・Tシャツ・フラッグ【写真1】など)を作るのは、その名も「ばっぱコーポレーション」。
宮城県石巻市鹿妻地区の主婦の皆さんの集まりで、東日本大震災後、ティッシュケースや置物などを製作。新潟市でのイベント参加がきっかけとなって、同市内のデザイン会社の協力により、オリジナルの復興キャラクター「ばっぱ」が誕生、商品展開となりました。
ばっぱコーポレーションのお知らせチラシ「石巻かづま ばっぱ通信vol.03」には、
「鹿妻地区は石巻市の中でも東側なんだっちゃ!」
「ばっぱがいる石巻かづまへ来てけらいん!」
など、石巻のコトバでの呼びかけもなされています。
石巻弁を用いたいきさつについて、ばっぱコーポレーション代表の齋藤ヒロ子さんは、
「ばっぱグッズの販売で、私たちの思いを十分に伝えることができるのは、普段使いの石巻弁だからだと思います。共通語の「がんばろう!」より「がんばっぺ!」「がんばっちゃ!」、おなじく「まけないぞ!」より「まけねぇど!」「まげねぇでば!」とすると、強い表現になります。飾らない方言には、安心感もあり、取り入れました。」
と、話されています。
取材の最後に、「これからも、この大震災を忘れることなく、語りついで下されば幸いです。」と語られ、言葉を交わす私たちも「一緒に」していただいたように感じています。