本欄執筆者からすると、目にした瞬間、一気にテンションが上がる商品がありました(発売期間は2012年3月から、4か月ほど。残念ながら、現在は販売終了)。
その名も「THANK YOUのキモチガム」【写真1】。「方言でキモチつながる」「世界の言葉でキモチつながる」のコピーと共に、「ありがとう」の意を表す日本各地の方言と外国語が包み紙に印刷されています。
方言研究の面からも、興味をそそられる内容であり、いろいろとお話を伺ってみました。
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●方言を取り上げたねらいは、何ですか?
この商品が発売される前に、伝えたいキモチを選んで、応募してもらうキャンペーンを実施し、弊社から12種類を提示したのですが、その中で1位に選ばれたのが「ありがとう」でした。キモチを伝える上で、色々な表現があるなと考え、方言やさまざまな言語を使ったらどうだろうと考え、採用しました。
ガムは、コミュニケーションツールでもあるので、ガムを渡した時に、包み紙に書いてあるちょっとした話題になればと思いました。
●御社の過去の商品において、類例がありましたか?
ありません。
●「ありがとう」(感謝)をテーマに選んだのは、なぜですか?
上記のように、キャンペーンで提示した12種類のうちから1位に選ばれました。
●方言(地域)や外国語は、どのようにして選び出されたのですか?
方言が5種類、外国語が3種類、メッセージが書き込めるようになっているのが1種類で、計9種類です。
全国で発売する商品なので、エリアに偏りがないようにしました。
●お客様の反響はいかがでしたか?
本品と同時に、「甘ずっぱい恋のキモチガム」「シャキッと1枚!のキモチガム」【写真2】も発売しました。
ブログなどで取り上げていただきました。お客様の印象に残ったのではないかと考えております。
●今後も、同種(方言をあしらった)の商品展開をお考えですか?
現在のところ、同様の企画は考えておりません。
(株式会社ロッテ・大峠美貴氏談)
市場調査をふまえた上での商品開発であることが理解できるお話でした。全国的な商品展開をする中にあって、現代における方言の位置づけ(気持ちを込めるには方言が有効)が示されている好例と思われます。