[意味]
オフィスに出勤せずに自宅で仕事を行う形態。IT(情報技術)を活用して場所に縛られない柔軟な働き方を意味するテレワーク(リモートワーク)のひとつ。
[関連]
時差出勤・一斉休校
*
今年に入ってから「在宅勤務」を目にすることが増えました。記事データベースを使って日本経済新聞での登場記事件数を見ると、2019年は1カ月あたり平均で8件程度だったものが、今年1月に17件となり、2月には68件と急増。3月は15日現在ですでに49件にもなっています。この「在宅勤務」急増には、新型コロナウイルスの感染拡大が確実に影響しています。
1月中旬に国内初の感染が確認されると、全社規模で在宅勤務を始める企業が出てきました。電通は2月24日、東京・汐留の本社ビルに勤務する男性従業員1人が感染検査で陽性だと確認されると、本社勤務の全従業員5000人を26日から在宅などのリモートワークにすると25日に発表。これに呼応した形で近くに本社を構える資生堂とパナソニックがそれぞれ従業員8000人と2000人を原則在宅勤務としました。これらは、安倍晋三首相による大規模イベントの開催自粛要請や小中学校・高校などの一斉休校要請に先んじた動きでした。
在宅勤務や時差出勤は今夏の東京五輪・パラリンピックに合わせ、公共交通機関などの混雑対策として官民で導入機運が高まっていたものです。それが新型コロナの感染拡大により、図らずも前倒しで普及するという格好となりました。3月2~4日のJR山手線の朝ピーク時(7時40分~8時40分)の利用者数が2月上旬と比べ約2割減るなど、混雑緩和も既に始まっています。
私も今月、入社30年にして初めて在宅勤務を経験。会社にいるのと全く同じに自宅で仕事ができるわけではありませんでした。環境の違いからきたのか、自宅のほうが意外にも疲れるものです。何をどこまでやるのか、といったルール作りが第一ですが、自宅でストレスなく仕事をするという環境づくりも大事になってくるでしょう。何はともあれ、新型コロナが早く終息し、落ち着いた日常生活に戻れることを願ってやみません。
* * *
新四字熟語の「新」には、「故事が由来ではない」「新聞記事に見られる」「新しい意味を持った」という意味を込めています。