漢字雑感

第4回 漢字検索のための道具(1) 漢字番号索引

筆者:
2015年7月13日

漢字辞典を使う目的は,一体,何であろうか。通常,辞書類を使うといえば,国語辞典を思い浮かべる人が多いであろう。漢字辞典は,人によっては,特殊なものであろうが,人によっては,日常的に必要な場合もある。使われている漢字の一一について,よみ方や意味を知ることが不可欠である場合も少なくない。こういう場合には,国語辞典はあまり役に立たない。こうした際には,どのように漢字辞典を使えば良いのだろうか。

そこでまず直面するのが,漢字の調べ方である。誰しもわかっていそうで,意外に,最も能率の悪い方法で辞書を使っている人も少なくない。それは,各辞典が準備している索引のうち,「総画索引」を使う方法である。

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『角川新字源 改訂版』では「総画索引」に
右にページ数、左に漢字番号が表示されている。
(株式会社KADOKAWA『角川新字源 改訂版』)

一般的に,漢和辞典には,部首索引,総画索引,音訓索引が準備されており,一部の辞書には漢字番号索引も準備されている。これらのうち,最も効率の良い索引は漢字番号索引であるが,すでに記したように,現行の辞書では,角川書店から出版されている,『角川大字源』及び『角川新字源』,それに,大正年間に出版された,『大字典』が元祖である。現行版は,講談社から,かつて再刊された『大字典』と,新字体にも対応させた,同社の『新大字典』である。

なお,漢字番号は辞書ごとに決められているので,全辞書に共通するわけではない。この番号が付されている場合は,音訓索引,総画索引における,各漢字の辞典中の所在はいずれも漢字番号が併記されているが,ページ数は必要ではなくなる。

漢字番号を記載してある辞書としては,大修館が戦時中から刊行を始めた,『大漢和辞典』ほか,各種あるが,番号がついているというだけで,その便利さを体験できるものは,現在のところ,すでに記したように,『大字典』『新大字典』『角川新字源』『角川大字源』ぐらいである。図書館等でこれらの辞典を使い,漢字番号での漢字検索の便利さを確かめてみてほしい。

筆者プロフィール

岩淵 匡 ( いわぶち・ただす)

国語学者。文学博士。元早稲田大学大学院教授。全国大学国語国文学会理事、文化審議会国語分科会委員などを務める。『日本語文法』(白帝社)、『日本語文法用語辞典』(三省堂)、『日本語学辞典』(おうふう)、『醒睡笑 静嘉堂文庫蔵 本文編』『醒睡笑 静嘉堂文庫蔵 索引編』(ともに笠間書院)など。

編集部から

辞典によって部首が違うのはなぜ? なりたちっていくつもあるの? 編集部にも漢字について日々多くのお問い合わせが寄せられます。
この連載では、漢字についての様々なことを専門家である岩淵匡先生が書き留めていきます。
読めばきっと、正しいか正しくないかという軸ではなく、漢字の接し方・考え方の軸が身につくはずです。
毎月第2月曜日の掲載を予定しております。