最近は,ご当地キャラクターが流行っています。全国的に話題になった例もありますね。
さて,そういうご当地キャラクターに,その土地の方言で名前を付けた,つまり,「方言ネーミング」をしたものが,いくつかあります。これを,「方言キャラクター」と呼びます。今回は,「方言キャラクター」について少しお話します。
まず,第21回で紹介しました,NHK盛岡放送局の「がんすけどん」と「なはんちゃん」も,「方言キャラクター」です。思い出してください。
東北地方にはまた,ご当地ヒーローの方言キャラクターがたくさんいます。
青森県「跳神ラッセイバー」(写真1),岩手県「岩鉄拳チャグマオー」(写真2),秋田県「超神ネイガー」(写真3)が,その代表です。
いずれもその県の有名な催しに関連する方言を使っています。
青森県の「ラッセイバー」は「ラッセイ」の部分が方言です。『ねぶた祭り』の掛け声「ラッセーラー」(出せ出せ)からとっています。
岩手県の「チャグマオー」は,「チャグ」の部分が方言です。『ちゃぐちゃぐ馬っこ』の「ちゃぐ」からとっています。「ちゃぐ」は,この催しのとき馬に着ける鈴の音のオノマトペ(擬音語)です。催し場所の滝沢村や盛岡市の方言での正確な発音は「ツャング」です。擬音語にも地域性つまり方言による違いがありますので,「チャグマオー」も方言キャラクターの例になります。「岩鉄拳」は「いわてっけん」と読み,「岩手県」と掛けています。
秋田県の「ネイガー」は,『なまはげ』のせりふ「泣ぐ子はいねがー。悪り子はいねがー」のおしまいの「ねがー」からとっています。
これらには,関係キャラクターがたくさんいます。そのほとんどが方言キャラクターです。
例えば,「ネイガー」には,超神(ネイガーの味方),邪神(敵),だじゃく組合(怠け者)がいます。「だじゃく組合」には、いかにも「だじゃく」らしい方言キャラクターが揃っています。いくつか紹介します。「キャラクター名」のあとの( )に共通語の意味を添えて示します。「ハンカクサイ」(愚か,バカ),「ゴンボホリー」(だだをこねる),「エラシクネ」(かわいげがない),「セヤミコキ」(仕事に手抜きをする人),「メグセクネイガー」(不美人でないか),「カマドキャシ」(破産した人)など,その他たくさんいます。詳しくは,『超神ネイガーオフィシャルサイト』で説明しています。また,ABS秋田放送の番組『秋田観光地大決戦!』で放送しています。番組ウェブサイト内でも各キャラクターの性質や相互関係も説明しています。
皆さんの地方にも「方言キャラクター」がいましたら,どんどん,私たちに教えてください。