今回は視野を広げて、方言について全世界を見渡す新手法を紹介します。Google mapを使うと、単語のグローバルな分布が地図上に示されます。
付図は関西弁のお礼のことば「おおきに」の世界地図です。Googleマップでアルファベット“okini”で検索すると、国外の使用例も地図上に示されます。
世界各地で“okini”という関西弁が使われていることは驚きでした。
ただし図のような形で世界言語地図を出すには、ちょっとした知恵が必要です。まずGoogleマップを検索して、パソコンの画面に出します。左上の「Googleマップ」と書いてある空欄にokiniを入力して「地図を検索」をクリックします。たいていは狭い地域(場合によっては1軒の店)が地図上に出ます。地図左上の温度計のようなマークを下におろすと、アジア全体になり、世界全体の地図になります。
また左側の店名一覧をスクロールして、末尾を出して、「okiniの検索結果をすべて表示(369件)」をクリックすると、他の店も地図に表れます。”okini”は店の名前ではなく、その店についてのクチコミや書き込みなどで使われていることもあるので、用心が必要です。
Googleマップの画面の保存には、次の技法を使います。
1.保存したい地図を画面一杯に出して、PrintScreen(キーボードによってはPrtScr、PrtScrn、PRTSCRなど)というボタンとCtrl(または同じ色)のボタンを同時に押します。
2.次にワード(かワードパッドかエクセル)を開きます。そして「ホーム」の「貼り付け」を押してください。
3.適当な名前を付けて保存してください。
Googleマップを使うと、単語の世界地図が数分でできます。これまで数百枚を作りました。ただ、地図に出す広さを変えたりすると、出る情報が違ったりします。みなさんも試してみてください。色々なことばを入れて検索すると、変わった言語地図ができます。ある語について、世界最初の言語地図を作ることになるでしょう。そして結果を教えてください。
なお雑誌『日本語学』2010年12月号のエッセイ「日本語の世界分布図」には、dojo(道場)の地図が載っています。