東日本大震災による被災地の様子(第151回)や、それに関連した方言メッセージ(第146回)・方言エール(第156回)が紹介されています。
こうした現地での例に加え、被災された方たちを受け入れている地域での、方言を活用した取り組みをご紹介しましょう。
にいつ子育て支援センター・育ちの森(新潟市秋葉区)では、子育て支援情報誌「Cocokara(ここから)」を発行中。このたび、新潟県外からの転入者に好評を博してきた方言解説ページ(各号連載)を集成、大震災後に新潟県に避難してきた方々を対象に『新潟の方言講座&子育てミニ情報』(A4判、27ページ)を作製し、配布しています【写真1】。
方言講座は、
【かたる】子どものおもりをする
例 おれがかたるて。
〈訳〉 私が子どものお守りをしますよ。
のように構成され、かわいいイラストが誌面を楽しいものにしています【写真2】。
『新津市の方言』(新津市図書館発行)を参考資料に、120語が50音順に紹介されています。
「イントネーションがわからないときは育ちの森スタッフまでお問い合わせください」
の注記も添えられています。
方言講座(10ページ)に続く後半は、避難所周辺のお薦めスポット・医療機関・授乳中の母親向けの体操などを紹介しています。
この冊子を手にされた方々の反応について、お問い合わせをしたところ、
「福島には、こんな方言があるよ」
「新潟の○○という方言は、福島では○○と言うよ」
「イラストも楽しく笑えて良かった」
など、上々のようです。
作製・配布にあたられた椎谷照美さん(育ちの森館長)は、
「コミュニケーションをとるきっかけになることを意図し、避難されてきた方が、近隣の公園などを知ることでリフレッシュでき、少しでも新潟に親しみをもってほしいと願い発行しました」
と、話されています。
読者の皆様、同様の取り組みをご存知でしたら、お知らせください。