出典
荀子(じゅんし)・勧学(かんがく)
意味
弟子が師を越えることのたとえ。「藍(あい)」は蓼(たで)科の一年草。これをしぼって青い染料をとる。本来の意味は、学問は中断しなければ、すぐれた効果を上げるということ。
原文
君子曰、学不レ可二以已一。青取二之於藍一、而青二於藍一。冰水為レ之、而寒二於水一。
〔君子曰(いわ)く、学は以(もつ)って已(や)むべからず。青はこれを藍(あい)より取りて、藍よりも青し。冰(こおり)は水これを為(な)して、水よりも寒(つめ)たし〕
訳文
君子がいった。「学問は中途でやめてはいけない。青という色は藍(あい)という草から取るが、その色は元になっている藍よりもいっそう鮮やかな青色になる。氷は水が元になってできるが、いったん氷になると、水よりももっと冷たい。
解説
一般には[意味]のように師弟関係を表す句として用いられているが、「君子曰(いわ)く、学は以(もっ)て已(や)むべからず」とあるように、学問は中断してはいけない。努力すればするほど精錬されてすぐれたものになるというのが本来の意味である。青と藍(あい)の句が用いられて、氷と水の句はあまり用いられない。『荀子(じゅんし)』の冒頭の一句だが、宋(そう)代の刊本には「青取二之於藍一」と「取」の字が用いられており、このほうが常用されている。ただ宋代の王応麟(おうおうりん)の『困学紀聞(こんがくきぶん)』巻十には、「青出二之藍一」と引用されており、これが「出藍(しゅつらん)の誉(ほま)れ」のもととなっている。
類句
◆藍(あい)より出(い)でて藍(あい)より青(あお)し◇青(あお)はこれを藍(あい)より取(と)りて藍(あい)よりも青(あお)し◆出藍(しゅつらん)の誉(ほま)れ