どういう意味?
映画・音楽・ゲームなど「情報の中身」のことです。
もう少し詳しく教えて
もともとコンテンツ(contents)とは「中身」を表す言葉です。しかしながら現在この語が登場する多くの文脈では「情報の中身」のことを表します。つまり、CD-ROM やインターネットやデジタル放送などの電子媒体を通じてやり取りされる、映画・音楽・番組・ゲームなどの情報やサービスのことをさすわけです。
どんな時に登場する言葉?
情報・通信・放送・エンターテインメントなどの分野で頻出する語です。コンテンツ(デジタルコンテンツ)がさし示す情報の中身には大きく分けて四つの分野があり、それぞれ映像(映画・テレビ番組・イメージビデオなど)、音声(音楽・ラジオ番組)、テキスト(ニュース・辞書・文学など)、ソフトウエア(ゲーム・データベースなど)といった情報やサービスがあります。以上の情報やサービスが複合した状態で提供されることもあります(デジタル放送の双方向番組など)。
これらの情報やサービスは、パッケージ(CD-ROM・DVD・ゲームカートリッジなど)、インターネット(パソコン・携帯電話など)、放送(デジタル放送)などの媒体を通じて提供されることになります。
どんな経緯でこの語を使うように?
コンテンツの語は、情報通信技術の発達につれ、1990年代の後半頃から多く使用されるようになりました。
古くこの分野では「ハードウエア/ソフトウエア」という区分法を用いていました。このうち前者は「目に見える機器そのもの」をさし、その意味に曖昧さがありません。しかし後者は、人によって「コンピューターのプログラム」をさす場合もあれば「映像や音楽やゲーム」などをさす場合もあり、その意味が文脈によって異なってしまう問題がありました。そこでこの曖昧さを解消するために「ハードウエア/ソフトウエア/コンテンツ」という分類法が一般化したわけです。
一方、1990年代中頃からインターネット・携帯電話・デジタル放送などの普及が急速に進み、業界の中で「映像や音楽やニュースやゲームなどのコンテンツや、その制作者が不足している」との問題が指摘されるようになりました。このような業界的な事情を背景に、コンテンツの語が一般化したという側面もあります。
コンテンツの使い方を実例で教えて!
コンテンツ産業/コンテンツビジネス
放送・映画・音楽・漫画・アニメ・ゲームなどの知的生産物について、その制作・管理・提供に関わるようなビジネスを総称して「コンテンツビジネス」または「コンテンツ産業」と呼んでいます。日本のコンテンツ産業は、強い国際競争力を持っていると指摘されています。
ブロードバンドコンテンツ/モバイルコンテンツ
コンテンツ(=情報の中身)を流通させる情報媒体の違いによって「ブロードバンドコンテンツ」「モバイルコンテンツ」などの区別をすることができます。ブロードバンド(=高速大容量のネット回線)では「映画やテレビ番組」などのコンテンツを、一方のモバイル環境(=携帯電話など)では「着メロやゲーム」などのコンテンツが、これに該当します。これらコンテンツの充実が、市場成長のために不可欠な要素だと言われています。
キラーコンテンツ
あるシステムが普及するきっかけになる、魅力的なコンテンツ(=情報内容やサービス)のことを「キラーコンテンツ」と呼びます。例えば1994年に発売された家庭用ゲーム機「プレイステーション」は、人気ゲームソフト「ファイナルファンタジー」シリーズが参入したことによって販売台数を大きくのばした経緯を持っています。この場合の「ファイナルファンタジー」シリーズが、キラーコンテンツということになります。
「魅力的なコンテンツづくり」
企画書などに、よく登場するフレーズです。
言い換えたい場合は?
コンテンツを単純に言い換える場合は「内容・中身」などの語を試してみて下さい。また前述の通り、コンテンツは「電子媒体上の情報」を表すことが多いことから「情報の中身・情報内容」などの表現を用いる方法もあります。さらにその情報の中身が、映画・音楽・番組・ゲーム・データベースなどの具体的な作品やサービスをさし示す場合、「映画・音楽……」などの語を直接用いるのもひとつの方法です。
雑学・うんちく・トリビアを教えて!
何故複数形なのか? 英語の content という単語は、単数の場合「内容・中身・容積・容量・含有量」などの抽象的内容や成分量を表し、複数の場合「書籍の内容・情報の内容・放送の内容」などのより具体的内容を表す傾向があります。したがって映画・音楽・ゲームなどの具体的対象を総称する言葉として、複数形の「コンテンツ」が用いられる訳です。
コンテンツの理解度 国立国語研究所の調査では、コンテンツの意味が分かる人は国民の25%未満でした。