岩手県宮古市に「方言ネーミング」のお菓子があります。「おらほのクッキー」というものです。宮古市のシンボル「鮭」を材料に入れています。全国放送のテレビ(NTV系『ズームイン朝』)で取り上げられたこともあります。大箱(写真1),中箱,小箱の3種類あります。
「おらほ」の意味ですが,クッキーの箱に英訳名が付いているので,ここからわかると思います。「My Town’s Cookies」と書いてあります(写真2)。「おらほ」とは「私の町(地域,村)」という意味です。「ほ」は「方」が元です。
さらに,この「方言ネーミング」は,作って売っているお店のユニークさと大いに関連しています。箱の裏面に「みやこ書店(有)食品部」とあります(写真3)。なんと,本屋さんがクッキーを作り,売っているのです(写真4)。書店内で作り,箱に詰めて,販売しています。「おらほのクッキー」という「方言ネーミング」は,本屋さんだからこそのアイディアです。岩手県内の多くの,“本職”の菓子メーカーにはほとんどないことです。
ところで,「おらほ」とは岩手県独特どころか東北独特の言い方でもありません。インターネットで「おらほ」または「オラホ」を検索しますと,11万件以上の多数ヒットし,東日本の広い範囲で使われていることがわかります。
これについて,当研究会の大橋敦夫先生が,長野県の東御市(とうみし)の「おらほ」を教えてくださいました。「OH!LA!HOビール」と「レストランOH!LA!HO」(写真5)です。
なお,宮古市の「おらほのクッキー」は,みやこ書店のほか,宮古市内の各店で扱っています。宮古に来るのが難しい人には,通信販売が利用できます。//www.sanriku.co.jp/cooky1.htmに案内があります。みなさんも,どうぞ,試してください。