新方言「ウザイ」を使ったテレビコマーシャルに気づきました。インターネットで情報をさぐったら、パソコンに表示されることが分かりました。以下をクリックするとたどりつけます。
//www.pizzahut.jp/more/cm/special/
ピザハットのテレビコマーシャルで、動画も出ます。字幕にも「ウザイほど美味しい。」と出ます。
「ウザイ」の前身は東京多摩地区の昔からの方言「ウザッタイ」(うっとうしい、不快だ)です。1980年代に現地調査で確認しました。30年で語形も意味も使用場面も使用地域も大きく変化しました。4月1日から始まるNHKテレビ木曜夜の「みんなでニホンGO!」でも取り上げられます。その後「ウザッタイ」は新方言として全国に広がり、歌でも使われます。歌詞ナビで検索したら、以前は「じれったい愛」だけでしたが、今は9曲に増えていました(2010/02/24)。
「ウザッタイ」の短縮形「ウザイ」は、1980年代に東京氷川の中学生の作った方言集に載っていました。
//triaez.kaisei.org/~yari/Newdialect/nddic.txt
ところが、もっと古い例が見つかりました。多摩地区では以前から「ウザイ」を使っていたらしく、「稲城方言カルタ」(1994)にも「りょうけんに ひねえ 頭がうぜえから」(考えがなかなかまとまらない、頭が悪いから)とあります【写真】。このかるたを作った人に問い合わせたら、色々な人に確かめてくださいました。明治・大正生まれの人が使っていたそうです。今の若者のウザイとは意味が違いますが、ずいぶん昔からあった言い方です。