大阪に行く機会があったので、なんばの商店街を見て回りました。大阪みやげの店があったので入ってみたら、方言グッズがたくさん並んでいました。大部分がこれまで見たことのないものです。のれん【写真】やら日めくりカレンダーやらお菓子やら、色々買いました。
ふと、徹底的な大人買いをして、方言グッズを全部買ったらどうだろうと、考えました。店の人に尋ねたら、店長らしい人を呼んできました。「方言関係を全部買ったらどのくらいですか。1万円か3万円かというような大雑把な数字でいいですけど」と聞いたら、事務所に戻ったあと、教えてくれました。「300点くらいあって、単価500円として15万円くらいでしょう」とのこと。一桁違います。「とても買えませんねえ」ともらしたら、さすが大阪人、「買うてください」と言って、笑いをとりました。
その店は「いちびり庵」。インターネットで見たら充実したホームページがあります。「ミュージアム」を名乗っていますから、「バーチャル方言博物館」(第52回, 第196回)の先駆者です。
いちびり庵 //www.msosaka.jp/shop/shop02010
大阪市内に支店も複数あり、東京のお台場にもあり、通信販売もやっています。社長の話が載っていますが、大阪みやげ全点で3000種くらいはあるそうです。そのうちの方言みやげは、確かに300点以上あるでしょう。在庫の種類では恐らく全国一。大阪の方言グッズは、これまで何度も登場しています(第17回, 第57回, 第58回, 第94回, 第191回, 第227回)。全体を合わせたら10万円をはるかに超えます。
他の地域だと、県内全部の方言グッズを集めても、数万円台でしょう。1万円ラインだと、数が多くなりそうです。計2万円を越えそうなのは、京都(第24回, 第29回, 第52回, 第129回, 第204回)・愛知(第99回, 第212回, 第242回)・沖縄(第17回, 第47回, 第177回, 第229回, 第259回)・青森(第3回, 第68回, 第237回, 第243回)・岩手(第1回, 第6回, 第11回, 第16回, 第46回, 第61回, 第81回, 第121回, 第131回, 第221回)でしょうか。ついでに海外で国全体の方言グッズを足して1万円を越えるのは、イギリス(第77回)とドイツ(第12回, 第74回)は確実。他にもあるでしょうが未確認です。
各地の方言に値段がついているのです。このシリーズのテーマである「地域語の経済」は、こんなふうにお金を手がかりにすると、見えてきます。