「Corona 4」は、ニューヨーク州グロトンのコロナ・タイプライター社が、1924年に発売したタイプライターです。「Corona 3」のキャッチフレーズだった28キー3段シフトのキーボードではなく、「Corona 4」は42キー2段シフトのキーボードを採用しています。
「Corona 4」は、42キーのフロントストライク式タイプライターです。扇形に配置された42本の活字棒(type arm)は、それぞれが対応するキーにつながっており、キーを押すと活字棒が立ち上がって、プラテンの前面に置かれた紙の上にインクリボンごと叩きつけられます。通常の状態では小文字が印字されますが、キーボード最下段の両端にある「SHIFT」キーを押すと、プラテンが持ち上がって、大文字が印字されるようになります。左側の「SHIFT」キーのすぐ上には「SHIFT LOCK」キーがあって、「SHIFT」キーを押しっぱなしにすることができるようになっています。
「Corona 4」のキーボードは、いわゆるQWERTY配列です。上の広告に見えるキーボードでは、最上段の大文字側に"#$%_&'()¾が、小文字側に234567890-が並んでいて、右端には「MARGIN RELEASE RIGHT」キーがあります。次の段は、大文字側にQWERTYUIOP¼が、小文字側にqwertyuiop½が並んでいて、右端に「BACK SPACE」キーがあります。その次の段は、左端に「SHIFT LOCK」キーがあって、大文字側にASDFGHJKL:@が、小文字側にasdfghjkl;¢が並んでいます。最下段は、両端に「SHIFT」キーがあって、大文字側にZXCVBNM,.?が、小文字側にzxcvbnm,./が並んでいます。当時、ライバルだった「Remington Portable No.2」を、かなり意識したキー配列となっているのが見て取れます。なお、数字の「1」は、小文字の「l」で代用することが想定されていたようです。
コロナ・タイプライター社はL・C・スミス&ブラザーズ社と合併し、1926年にL・C・スミス&コロナ・タイプライターズ社となりました。生産拠点はニューヨーク州シラキューズに移ったものの、合併後も「Corona 4」の製造販売は継続しました。ちなみに日本では、黒沢商店が輸入代理店となっており、「Corona 4」をアルファベットのみならず、横書きカタカナ・タイプライターとしても販売していたようです。