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地域語の経済と社会 第251回 「最近の「方言エール」」
2013年 4月 27日 土曜日 筆者: 田中 宣廣地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第251回 「最近の「方言エール」」
第226回,第231回,第236回の3回にわたり,「方言エール」のまとめをしました。それを基本用法と応用的利用に分けて示したのが[表1]です。

[表1]
東日本大震災から2年が経ちました。震災時の方言エールも,だいぶ様変わりしてきました。最近は,基本用法そのものも,当初の用法から,提示の状況や使用の動機が変わってきています。
震災時の方言エールは,はじめ,避難者個人が,同じ避難所にいる同じコミュニティーの,同じ方言を使う人々へ向けたものでした(基本用法 ア)。震災直後は,具体的になすべきことが分からず,家族の行方,家や家財のことでも大きな不安がありました。そういうなかで出てきた方言エールでした。「気持ち【だけは】確かに持って」という互いの「掛け声=エール」が限界の状況だったのです。つまり,その目的は,「ふるさとはなくなっていない(自分たちのなかに方言が生きている)のだから,命をつないでいこう」と,励まし合うことでした。
地域住民の純粋な感情から湧き出たものが,その後,日に日に広まっていきました。3回の「まとめ」のとおり,(イ)企業・行政や(ウ)救援隊でも方言エールを示し合いました。このころの目的は,その場にいる人全員で「生存の意思」を共有することでした。

上左:【写真1】宮古市役所(市長のメッセージ入り)
上右:【写真2】がれき処理施設でも方言エール

上左:【写真3】壊滅の街にも
上右:【写真4】釜石の復興の印「まる」

上:【写真5】意思を示す幟(キャラクター入り)
それから時が移りました。最近は,目的が「復興の意思」の確認に推移しています。震災後数カ月から見ると,全体の数は減ってきています。そのなかで,方言エールの基本用法が,大きく目立つように掲げられています。復興の意思や作業の精神的支柱の確認のため,街中やタクシーの車体,また,工事現場で,よく目に入ります。第236回でまとめた2種の応用的利用も増えています。
今回,そのなかから,5箇所の例を紹介します。岩手県では,宮古市【写真1】,山田町【写真2】,釜石市鵜住居(うのすまい)地区【写真3】,釜石市(中心部)【写真4】,また,宮城県気仙沼市の例【写真5】です。いずれも,基本用法(イ)を受け継いでいます。
震災時の方言エールは,はじめ,まったく素朴な動機から出ました。「ふるさとはなくなっていない,しっかり生きていこう」との性質でした。そこから最近は,「ふるさとで生活を再建する,自分たちを支えてくれたふるさとを今度は自分たちが再生するのだ」という決意表明になっています。これらの用例に託された被災地再建の意思を,よく理解したいと思います。
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【筆者プロフィール】
言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)
田中宣廣(たなか・のぶひろ)
岩手県立大学 宮古短期大学部 准教授。博士(文学)。日本語の,アクセント構造の研究を中心に,地域の自然言語の実態を捉え,その構造や使用者の意識,また,形成過程について考察している。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。著書『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』(おうふう),『近代日本方言資料[郡誌編]』全8巻(共編著,港の人)など。2006年,『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』により,第34回金田一京助博士記念賞受賞。『Marquis Who’s Who in the World』(マークイズ世界著名人名鑑)掲載。
【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
方言みやげやグッズから見えてくる、「地域語の経済と社会」とは。方言研究の第一線でご活躍中の先生方によるリレー連載です。
この連載への質問、また「ここでこんな方言みやげ・グッズを見た」などの情報は、問い合わせフォーム( http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/support/question.html )から、「地域語の経済と社会」への質問・情報である旨を記してご投稿ください。
2514地域語の経済と社会 第246回 「学校の方言」
2013年 3月 23日 土曜日 筆者: 田中 宣廣地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第246回 「学校の方言」
最近は,学校におきましても,方言の拡張活用の例が認められます。学校とは,以前ですと,共通語を教育する中心的機関と認識されていましたので,このような動きは,画期的なことと思います。
この連載で私は,これまでに,学校における方言の拡張活用例を2例紹介しています。第121回:岩手県盛岡市の岩手大学内の,学生と社会人の交流企画の「かだる」と,第166回:岩手県立宮古高校の文化祭ポスター「がんばっぺ宮高」です。それぞれ,その回のテーマの1例として紹介しました。今回は,このほかの,学校での使用例です。
最初の例は,小学校です。地域に関する学習の一つが動機になっているものと思われます。岩手県宮古市の宮古小学校です。来客用入り口に,「ようこそおでんした」(ようこそいらっしゃいました)の歓迎の方言メッセージが掲げられています【写真1】。つまり,この小学校を訪れるお客さんは皆,このメッセージに迎えられるというわけです。
第2例は,PTAの標語です。青少年健全育成活動標語で,宮古市の入賞3作のうち1作に選ばれた中に,方言を使ったものがありました。「『やめっぺす』勇気ある君 友救う」です【写真2】。「やめっぺす」の意味は「やめましょう」です。これは,方言エールのところでも,述べたことですが,方言で伝えたほうが,友人の心に確かに伝えることができる,ということから使われたものと思われます。
第3例は,大学での例です。岩手県滝沢村の岩手県立大学では,昨年10月の大学祭のテーマを「維新~んだば、やってみっぺし~」としました【写真3】。方言の部分の意味は,「それならば,やってみましょう」です。このテーマを決めるときには,私も,関わりました。
ここで,第2例と第3例のおしまいの「―ぺす」と「―ぺし」について少し説明します。これは,古代語の「―べし」に由来する表現で,丁寧な勧誘を表す方言です。東北弁では「―べー」とか「―っぺ」が勧誘の表現に使用されますが,それらより丁寧なのです。「―べし」の原形に近いもので,原形に近いほど丁寧度が高い,という日本語の敬語の原則によるものです。
皆さんご自身が通っている(または,通っていた)学校,あるいは,お住まいの近くの学校にも,方言の拡張活用例があるかもしれません。ぜひ,注意して見つけてみましょう。見つけましたら,私たちに教えてください。
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言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)
田中宣廣(たなか・のぶひろ)
岩手県立大学 宮古短期大学部 准教授。博士(文学)。日本語の,アクセント構造の研究を中心に,地域の自然言語の実態を捉え,その構造や使用者の意識,また,形成過程について考察している。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。著書『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』(おうふう),『近代日本方言資料[郡誌編]』全8巻(共編著,港の人)など。2006年,『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』により,第34回金田一京助博士記念賞受賞。『Marquis Who’s Who in the World』(マークイズ世界著名人名鑑)掲載。
【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
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21a7地域語の経済と社会 第241回 「『いなか』の名物」(岩手と香川)
2013年 2月 16日 土曜日 筆者: 田中 宣廣地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第241回 「『いなか』の名物」(岩手と香川)
方言ネーミングの食品に,「いなか」を冠したものがあります。今回は,東北の岩手県と四国の香川県から1例ずつの,2例を紹介します。
「いなか」と言いましても,「在郷」に由来する方言のことです。三省堂の『大辞林』第三版で「在郷」を調べますと,二つの意味があり,その第1に「都会から隔たった地方。いなか。在。在所。ざいご。」とあります。これが主に,東北,北陸,北関東,四国,その他,各地の方言において,「ゼーゴ」「ゼゴ」「ゼンゴ」「ジェーゴ」「ジェゴ」「ジェンゴ」などの語形で使われています。
今回の第1例は,この「在郷(いなか)」を方言ネーミングにしたお酒です。岩手県岩泉町(いわいずみちょう)の泉金酒造(URL=http://www.ginga.or.jp/~senkin/)から発売されていました(現在,同社のラインナップには入っていないようです)。「ほんに じぇごの酒」です【写真1】。共通語に直すと「本当にいなかの酒」です。
方言の説明をします。この方言では,2つの母音が連続するところでは,融合します。この例では「在」の部分[zai]が「ゼー」となります。また,仮名の「せ」「ぜ」に相当する音節の具体音声は,古代音の残りで「シェ」「ジェ」となります。さらに,特殊音(長音,撥音,促音)が短く弱い音節構造(「シラビーム方言」と呼ばれます)なので,この場合,長音(のばす音)はほとんど出ません。よって,「在郷」は「ジェゴ」となっています。
第2例は,「在郷(いなか)」を方言ネーミングにしたうどんです。うどんと言えば讃岐,香川県高松市です。高松市の本家わら家(URL=http://www.wara-ya.co.jp/)の中心商品「ざいごうどん」です【写真2】。この「ざいご」によるネーミングについては,同社のネットサイトで「ざいごうどんの“ざいご”とは「在郷(ざいごう)」(田舎・郷里にいる、といった意味)が訛った言葉です。直訳すれば、“いなかうどん”となります。」と明確に説明してあります。「ざいごうどん」は登録商標となり,ロゴタイプも定めています。
皆さんも,『在郷』の味を楽しんでみては如何でしょうか? ~その前に,「お酒は二十歳になってから」です。忘れないようにしましょう。
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【筆者プロフィール】
言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)
田中宣廣(たなか・のぶひろ)
岩手県立大学 宮古短期大学部 准教授。博士(文学)。日本語の,アクセント構造の研究を中心に,地域の自然言語の実態を捉え,その構造や使用者の意識,また,形成過程について考察している。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。著書『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』(おうふう),『近代日本方言資料[郡誌編]』全8巻(共編著,港の人)など。2006年,『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』により,第34回金田一京助博士記念賞受賞。『Marquis Who’s Who in the World』(マークイズ世界著名人名鑑)掲載。
【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
方言みやげやグッズから見えてくる、「地域語の経済と社会」とは。方言研究の第一線でご活躍中の先生方によるリレー連載です。
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24b3地域語の経済と社会 第236回 「方言エール」のまとめ-3(全3回)
2013年 1月 12日 土曜日 筆者: 田中 宣廣地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第236回 「方言エール」のまとめ-3(全3回)
方言エールのまとめの最終回です。節や写真の番号は,第226回からの通し番号です。
[4]方言エールの類型:これまでの例から,方言エールは,他の拡張活用法と違って類型化され,「エール部+地名」となっています。地名の使用は,この用法が特に地域と一体化している証しです。 ~類型などの特殊性は,方言景観について継続的に記録しているからこそ,全用法のなかで位置づけることができました~
方言エールは,[1]のとおり,具体的内容よりも方言の使用自体が重要で,エール部は状況もよく表現しています。[3]の(ア)や(イ)は,地域内での使用なので,勧誘が基本です。「おらもがんばる」は意志のようですが,「――も」により勧誘の意となっています。同(ウ)では,発信者から被災民への激励から「けっぱれ」など命令表現が基本です。「まげねど」は表面では意志ですが,“皆さんも一緒に”の気持ちです。「c がんばっぺ」は勧誘ですが,仙台から同じ宮城県への派遣なので,外部からというより,地元で一緒に頑張ろうとの意です。多くの用例に感嘆符「!」が用いられているのも目立ちます。
[5]エール部の使用方言:[3]の各例は,発信者がどの地方の人でも,受け手の気持ちに寄り添うよう,被災地の方言を使っています。発信者側の方言を使った例もあります【写真12】。
[6]方言エールの発展:方言エールは,震災直後,また,のちの数カ月間に,地域住民の全く純粋な感情から湧き出てきましたが,その後,応用的利用もなされました。これにより,初めは地域内部に向けていた方言エールを,広く外部に示し,被災地住民の精神を他地域に伝えています。方言エールの応用方式には2種類あります。
《第1応用》方言エールを商品に貼ったり,方言みやげ・グッズに提示したりして,商業的利用にした応用方式(販売目的のTシャツやステッカー,ボールペンなど)です。価格を決めて店舗等で販売します【写真13】。ただし,業者の作った製品がすべてこの方式なのではありません。仲間内で,思いを共有するために注文して作った(販売しない)Tシャツなどは,方言エールの提示法のうちです。注意してください。
《第2応用》震災後の復興を願う行事などの方言ネーミングに方言エールを利用した応用方式です【写真14】。
以上のとおり,方言エールは,方言と地域の人々の結び付きや地域語の底力を,明確に示してくれました。
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井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)
田中宣廣(たなか・のぶひろ)
岩手県立大学 宮古短期大学部 准教授。博士(文学)。日本語の,アクセント構造の研究を中心に,地域の自然言語の実態を捉え,その構造や使用者の意識,また,形成過程について考察している。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。著書『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』(おうふう),『近代日本方言資料[郡誌編]』全8巻(共編著,港の人)など。2006年,『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』により,第34回金田一京助博士記念賞受賞。『Marquis Who’s Who in the World』(マークイズ世界著名人名鑑)掲載。
【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
方言みやげやグッズから見えてくる、「地域語の経済と社会」とは。方言研究の第一線でご活躍中の先生方によるリレー連載です。
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27eb地域語の経済と社会 第231回 「方言エール」のまとめ-2(全3回)
2012年 12月 8日 土曜日 筆者: 田中 宣廣地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第231回 「方言エール」のまとめ-2(全3回)
方言エールのまとめの2回目です。節や写真の番号は,第226回からの通し番号です。

左:【写真5】鏡ヶ丘同窓会仙台学生会会長
小野寺雄大氏ご提供
(青森県立弘前高等学校教諭 佐藤正幸先生ご協力)
右:【写真6】筆者撮影

【写真7】筆者撮影

【写真8】筆者撮影
[2]方言エールの特徴:方言エールは,「1」の災害時が初の使用例ではありません。スポーツの応援や受験の激励で,横断幕や幟にして掲げる例が,時折認められます【写真5】。
東日本大震災後には,被害のあった東北地方北部から関東地方にわたる広域の各地で同時多発的に,多数出現しました。震災直後に,生存者が命をつなぐ,という切実な状況下で自然に手作りのものが出て,数ヶ月経過後から業者製品が出てきました。Tシャツの図柄【写真6】やバスの車体塗装【写真7】にもなりました。
[3]方言エールの種類と例:方言エールは,その出現や提示方法により,以下の3種類になります。
(ア)被災者など個人の手作り:当初多くは手書きでした。避難先の学校にあったマジックや模造紙または段ボールを使いました。その後,パソコンで作成したものや,業者製品,また,図案化されたものも出てきました【写真8】。
また,被災地出身者が,現生活地で出身地の方言の地域言語により提示した例もあります【写真9】。
(イ)企業やマスコミ,行政など:被災地内で被害を免れた大型商業施設を中心に,緊急閉店となっても,自主的に避難所となり,未販売の食品を避難者に分配し,または,翌日から青空営業を始め,方言エールを掲示していきました。マスコミでは,(ア)のような例を放送しつつ,自らもフリップを作成しました。また,役所でも方言エールを提示したところがあります【写真10】。
(ウ)外部からの救援/支援/激励:震災直後の自衛隊の災害派遣隊による救援【写真11】,警察やボランティアなどの支援,また,一般の慰問や職業芸能人の激励など,大勢が被災地を訪れ,派遣先の地域語による方言エールを掲示しました。これらは,被災地の住民の励ましに役立ちました。
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259d地域語の経済と社会 第226回 「方言エール」のまとめ-1(全3回)
2012年 11月 3日 土曜日 筆者: 田中 宣廣地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第226回 「方言エール」のまとめ-1(全3回)
昨年の東日本大震災後から「方言エール」について,読者の皆さんといっしょに考えてきました。この連載とともに,学会で発表する機会が2度あり,日本全国の多くの方言研究者と議論をすることもできました。そのなかで,実は輪郭のぼやけていた私の考えも,はっきりとしてきました。そこで,これから3回にわたり,「方言エール」について,まとめることにしました。皆さんもあらためて考えてください。
[1]方言エールの概要:方言エールは,方言メッセージから,非常時などの精神鼓舞の「掛け声」に派生した用法です。表現に基本的に具体的内容のない《非実質性》,独自の類型や特別な使用の状況などから,方言メッセージとは別の一つの種類として整理されます。

【写真1】岩手県中小企業家同友会のサイト,
2011年3月15日「同友会ニュース」より

【写真2】筆者撮影(クリックで拡大表示)

【写真3】株式会社文化印刷,岩手県宮古市
(クリックで拡大表示)

【写真4】筆者撮影(クリックで拡大表示)
方言エールが注目されたのは,2011年3月の東日本大震災の直後からです。被災者たちが,方言を,まず生存,次に長期避難生活,さらに再建の掛け声として,避難所内や倒壊した自宅に掲げました。「がんばっぺぇーす宮古」や「がんばっぺ高田」【写真1】などです。
このとき,「方言」こそ「残ったただ一つのふるさと」でした。津波に,街ごと流されてしまったふるさとでしたが,2~3日経ち,被災者たちは,気がついたのです。「自分たちが『ふるさと』を持って避難してきた」「方言は残っている」「『ふるさと』はなくなってしまったのではない」ということに,気がついたのです。よく「方言は地域の文化」と言われますが,このときは,そのような軽いものでなく,「ふるさとそのもの」の,とても重みのある存在であったのです。
そういうなかで掲げられた方言エールは,ことばの意味よりも,「ふるさとのことば」であることが大切でした。この《非実質性》は,震災のときの方言エールのとても重要な性質です。ただし,状況に矛盾しない表現にはなっています(第236回[4]で説明)。
数日後には「みんなでがんばっぺす」【写真2】などが大小の商店に掲げられ,さらに日月を経て,無料のステッカー【写真3】も配られました。救助に派遣された自衛隊では,すぐに「がんばっぺ!みやぎ」や「けっぱれ!岩手」【写真4】などを避難者たちに示しました。
このように,方言エールは,方言を,ふるさとそのものである方言を,精神鼓舞の掛け声に活用した用法です。以前から言われていた,地域言語が地域の人々の精神の大きな支えとなっていることが再確認できます。
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2700地域語の経済と社会 第221回 「盛岡弁の自販機でがんす」
(「子ども向けの方言の拡張活用」付け足し)
2012年 9月 29日 土曜日 筆者: 田中 宣廣
地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第221回 「盛岡弁の自販機でがんす」
(「子ども向けの方言の拡張活用」付け足し)
方言をしゃべる自動販売機につきましては,この連載でも第9回で紹介されました。それらは,大阪弁や名古屋弁など,勢力の強い方言でした。地方には,大阪弁ほどの勢力のない方言でも,方言自販機は,活躍しています。今回は,岩手県の県庁所在地,盛岡市の方言による自販機を紹介します。
それは,第9回にも紹介のあるダイドードリンコ株式会社のもの(参考:方言自販機のサイト=http://www.dydo.co.jp/corporate/jihanki/communication/talk/morioka.html)です【写真1】。代金を入れるとき,商品を選んでボタンを押したとき,また,お釣りがあるときは,お釣りの出たとき,の2回または3回,方言が聞かれます。普通の利用者の多くが気がつかないと思われますが,2パターンあります。以下に紹介します(パターン呼称の「A」と「B」はここだけのもの)。
マーイド アリガトゴザンスー。ヒャッケ ノミモノワ イカガデゴザンス。(購入)ソレ ウメガンスヨ。(お釣り)アリガトガシタ。マダオデァッテクナンセ。オズリッコ トリヤンシタスカ?
〔共通語訳〕毎度ありがとうございます。冷たい飲み物は,如何でございます。~ それ,美味しいですよ。~ ありがとうございました。またいらしてください。お釣り,お取りになりましたか?
マーイド アリガトゴザンスー。キョーワ アズナッスー。ヒャッケ ジュースデ リフレッシュ シテクナンセ。(購入)アリガトガシタ。マダオデァッテクナンセ。(お釣り)オズリッコ トリヤンシタスカ?
〔共通語訳〕毎度ありがとうございます。今日は,暑いですね。冷たいジュースで,リフレッシュしてください。~ ありがとうございました。またいらしてください。お釣り,お取りになりましたか?
皆さんは,どのくれぁ わがりやんしたすか?
《第216回の付け足し》
子ども向けの方言の拡張活用例の付け足しです。岩手県釜石市の中妻体育館の催し『親子のあそび広場』のチラシに「さぁ、思いっきり遊んでみっぺす!」の誘いの方言メッセージがあります【写真2】。なお,この企画の主催者は復興庁です(裏面に明記)。つまり,これは,国の機関の広報に,方言メッセージが使用された珍しい例,としても特徴的なものです。
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【筆者プロフィール】
言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)
田中宣廣(たなか・のぶひろ)
岩手県立大学 宮古短期大学部 准教授。博士(文学)。日本語の,アクセント構造の研究を中心に,地域の自然言語の実態を捉え,その構造や使用者の意識,また,形成過程について考察している。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。著書『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』(おうふう),『近代日本方言資料[郡誌編]』全8巻(共編著,港の人)など。2006年,『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』により,第34回金田一京助博士記念賞受賞。『Marquis Who’s Who in the World』(マークイズ世界著名人名鑑)掲載。
【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
方言みやげやグッズから見えてくる、「地域語の経済と社会」とは。方言研究の第一線でご活躍中の先生方によるリレー連載です。
この連載への質問、また「ここでこんな方言みやげ・グッズを見た」などの情報は、問い合わせフォーム( http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/support/question.html )から、「地域語の経済と社会」への質問・情報である旨を記してご投稿ください。
26f6地域語の経済と社会 第216回 「子ども向けの方言の拡張活用」
2012年 8月 25日 土曜日 筆者: 田中 宣廣地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第216回 「子ども向けの方言の拡張活用」
方言は,年配者の使う古いことばではなく,若い人にも地域間の言語の差は認められます。さらに,若い人が生み出している新たな地域差(たとえば,井上先生の提唱する「新方言」)や,年少の子どもの話す方言もあります。
方言の拡張活用にも,若い人や子どもを対象とした例があります。今回は,方言の拡張活用の子ども向けの例について,岩手県の最近の例から考えます。
一つ目の例は,この連載の第31回〔写真2〕で紹介した「わらしっこセット」(和食系飲食店の子ども向けメニュー:岩手県盛岡市)という方言ネーミングです【写真1】。「わらし」は「子ども」のことで,「っこ」は東北弁によくある,親しみを込める働きの接尾辞です。
二つ目の例は,宮古市の子どもダンスチーム「MOPS」の企画「みんなでおどっぺす!!」です【写真2】。「MOPS」も「[M]innade [O]dop[P]e[S]u」の略です。意味は「みんなで踊りましょう」で,元は方言メッセージです。そこから方言ネーミングの企画主催者名「みんなでおどっぺす実行委員会」やチーム名「MOPS」が生まれました。ちらしには「今年度で3年目となります。」とありますが,私は今年初めて知りました。小学校で配布されたちらしを娘二人が持ち帰り,知らせてくれました。http://away-co.com/mops/に活動の様子が紹介されています。
三つ目も宮古市の例で,今年誕生した,宮古人形劇場「めんこいわらし座」です【写真3】。意味は,「かわいい(めんこい)・子ども(わらし)」です。宮古市総合福祉センター内に開設された劇場に,この方言ネーミングが使われています。
四つ目の例は,遠野市の「遠野わらすっこまつり」です【写真4】。元の名称は「遠野こどもまつり&わくわくフェスティバル」であったのを,平成21年開催分から,現在の方言ネーミングの名称に改められました。
方言の拡張活用には,その土地の地域性をより強く感じてもらうねらいがあります。その主な対象者は,基本的に大人です。今回の4つの例は,地域で育ってゆく地元の子どもたちに,郷里を愛する心を養ってもらう目的があります。
皆さんのお住まいの地域にも,子ども向けの方言の拡張活用例があるでしょうか? ぜひ探してみてください。そして,それに込められた意義や,郷里の方言を子どもたちに伝えようとする気持ちについて考えてみてください。
* * *
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【筆者プロフィール】
言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)
田中宣廣(たなか・のぶひろ)
岩手県立大学 宮古短期大学部 准教授。博士(文学)。日本語の,アクセント構造の研究を中心に,地域の自然言語の実態を捉え,その構造や使用者の意識,また,形成過程について考察している。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。著書『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』(おうふう),『近代日本方言資料[郡誌編]』全8巻(共編著,港の人)など。2006年,『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』により,第34回金田一京助博士記念賞受賞。『Marquis Who’s Who in the World』(マークイズ世界著名人名鑑)掲載。
【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
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260b地域語の経済と社会 第211回 「新市民歓迎の方言メッセージ」
2012年 7月 21日 土曜日 筆者: 田中 宣廣地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第211回 「新市民歓迎の方言メッセージ」
方言メッセージのいくつかの用法のうち,最も多用されるのが歓迎の方言メッセージです。歓迎の方言メッセージと言いますと,基本が観光客や地元のお客さんが対象ということになっています。この連載でも,近くは第196,199,201,206回など,多くの回で取り上げています。ただ,その土地に来るのは,何も観光客だけではありません。転勤などの転入者もいます。今回は,そういう転入者対象の歓迎方言メッセージの例を,私の住む,岩手県宮古市から取り上げます。
まず,マリンコープDORAです。「コープ」とあるように,生活協同組合の施設です。同店内の告知ポスターに方言メッセージがあり,「転勤で就職で 宮古に引っ越して、こられた皆さん『よぐおでんしたぁ~(^0^)』」と書かれ,転入者対象であることを明確にしています【写真1】(2008年5月撮影)。すぐ下に「宮古弁で『よく、いらっしゃいました』」と解説も付けています。ここで重要なのは,「あなたも生協の仲間になりませんか??」という本題やそれに続く説明よりも上に,方言メッセージが書かれていることです。つまり,まずは方言メッセージでお客の注意を引きつける目的があるわけで,絵や写真を使ったポスターでの絵や写真の役割を,方言が担っているわけです。
DORAの店舗の性格や立地から,観光客の来店は,あまり想定されていません。宮古市は陸中海岸国立公園を抱える観光地なので,観光客向けの商業施設は他にあります。DORAには,生協以外にも,民間店舗が多く出店しています。岩手生協の紹介サイトhttp://www.iwate.coop/shop/shoplist/store.php?shop=183に案内があります。
もう1例は,市役所(宮古保健センター)です。乳幼児と妊婦の転入者への健診や予防接種等の案内書面です。こちらも,「宮古市に転入されたお子さんと妊婦さんへ」という標題よりも上に「ようこそおでんした!」の方言メッセージを掲げています。
なお,宮古保健センターは,庁舎が東日本大震災の津波の直撃を受けて使用不能となりました。現在は,宮古市中央公民館に事務所を設置し,乳幼児健診等は宮古市総合体育館の施設を利用しています。
《謝辞》
宮古保健センター案内書面の取材には,宮古市役所総合窓口課主任:伊藤 眞 氏のご協力を戴きました。ここに記し,あらためて御礼申し上げます。
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田中宣廣(たなか・のぶひろ)
岩手県立大学 宮古短期大学部 准教授。博士(文学)。日本語の,アクセント構造の研究を中心に,地域の自然言語の実態を捉え,その構造や使用者の意識,また,形成過程について考察している。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。著書『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』(おうふう),『近代日本方言資料[郡誌編]』全8巻(共編著,港の人)など。2006年,『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』により,第34回金田一京助博士記念賞受賞。『Marquis Who’s Who in the World』(マークイズ世界著名人名鑑)掲載。
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皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
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22f1地域語の経済と社会 第206回 「多くを教える大切な方言メッセージ」
2012年 6月 16日 土曜日 筆者: 田中 宣廣地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第206回 「多くを教える大切な方言メッセージ」
平成の大合併で現在は宮古市になっている,以前の田老町(たろうちょう)に,摂待(せったい)という名の地区があり,三陸鉄道北リアス線「摂待」駅があります。駅前は「摂待野菜直売所」となっていて,すぐ前の国道45号線に向けて「品質最高!!摂待のおいしい野菜いかがですか!!『よっとがんせぇ~!!』(寄ってください)」のメッセージが掲げられています【写真1】。実は駅前というより駅下です。摂待駅付近は高架(駅部分は高い盛り土)の上に位置し,階段で地上に降りるとそこが野菜直売所です【写真2】。
東日本大震災の津波で摂待川の河口水門は完全破壊,海岸から約360m上流の下摂待集落は壊滅し,犠牲者も出ました。重量約143トンの巨石が約450m流されてしまったことはニュースになりました。ただし,直売所のある上摂待地区は無事でした。現在は,農業を基軸に,震災で大損害を受けた漁業の再生にも取り組んでいます。
東日本大震災の被害は,地震や津波のほか,福島第1原子力発電所の事故も深刻な状況です。実は,昭和50年(1975年)に,この摂待地区に原子力発電所建設の話がありました。地元漁業者たちの反対や地区選出の国会議員の意見もあり,結局この話はなくなりました。青森県から茨城県の東日本太平洋側で,原子力発電所または関連施設の存在しないのは岩手県だけですが,こういう経緯でした。もし摂待に原発が…(恐)
今回の方言メッセージは,上で述べた原子力発電所立地や事故のことがなければ,日本の村のどこにでもある,平凡なものとして見られていたことでしょう。この研究でも,国道脇の商業メッセージの一例として扱われていたものです。しかし,大震災のあとは,とても意義深い用例となっています。この方言メッセージが今もなお意味をなしていることはとてもありがたいこととなっています。先人たちがあのとき適切な選択をしたくれたお陰で,今も,ここに野菜が並び,地区の住民の生活が続き,三陸鉄道も復旧し,国道も通行でき,この方言メッセージも活きているのです。今回の資料の取材に訪れた昨年10月に,周囲の山から響いていた狩猟の銃声さえ,この地域に人間の営みが続く証明としてありがたく感じました。
やや色あせているものの,一つの方言メッセージが,これからの社会のあり方や人間の生き方まで私たちに教えてくれる,大切なメッセージとなっていると,私には思えます。
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岩手県立大学 宮古短期大学部 准教授。博士(文学)。日本語の,アクセント構造の研究を中心に,地域の自然言語の実態を捉え,その構造や使用者の意識,また,形成過程について考察している。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。著書『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』(おうふう),『近代日本方言資料[郡誌編]』全8巻(共編著,港の人)など。2006年,『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』により,第34回金田一京助博士記念賞受賞。『Marquis Who’s Who in the World』(マークイズ世界著名人名鑑)掲載。
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2007年









