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地域語の経済と社会 第87回
2010年 2月 20日 土曜日 筆者: 井上 史雄地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第87回「方言切手と方言詩 Dialect postage stamps and dialect poem 」
2009年にCD付き方言切手が発行されたというニュースがありました。切手といっても「フレーム切手」で、個人でも作れるものです。切手カタログにも載りません。ただ郵便局のホームページに通し番号がついた全リストがあります。方言切手の一覧表を作りました(末尾参照)。
4種類の実物の画像はインターネットのあちこちのサイトで見られますので、リンクをはりました。下線のついた部分をクリックするとそのページに飛びます。
- 新潟弁切手第1集 http://www.jp-network.japanpost.jp/notification/pressrelease/2009/document/3001_06_04_609021801.pdf
- 新潟弁切手第2集(秋・冬) http://www.jp-network.japanpost.jp/notification/pressrelease/2009/document/3001_06_04_609081901.pdf
- 津軽弁切手「津軽弁でしゃべる」CD付きhttp://www.jp-network.japanpost.jp/notification/pressrelease/2009/document/3001_02_04_209102201.pdf
- 富山弁切手「富山弁でいかんまいけ!」http://www.jp-network.japanpost.jp/notification/pressrelease/2010/document/3001_07_04_710011401.pdf
1の新潟弁切手第1集はスタマガネット(株式会社郵趣サービス社 http://www.yushu.co.jp/shop/)の通販で注文しました。2の新潟弁切手第2集と、3の津軽弁切手、4の富山弁切手は、通信販売はしないそうで、それぞれ地元の人に頼みました。料金に比べて高いものを買い、送料を払い、しかも退蔵するわけですから、郵便局株式会社にはかなりの貢献をしたことになります。
ところで「津軽弁でしゃべる」切手は、あの小さな切手にどんなふうにCDを付けるんだろうと、心配したのですが、切手ケースにCDが1枚付いているものでした。地元出身のタレント伊奈かっペいさんの方言漫談が入っています。
CDの最後に面白い試みが吹き込んであります。津軽の方言詩は有名ですが、他地方の人には分からないという不利・不平等があります。それを克服するために、津軽弁が分かるかどうかに左右されない方言詩を、作ったそうです。方言による芸術に関心のある人は、ぜひとも聞くべきです。しかし、実はせっかく買って聞いても、無意味です。どこの人にも誰にもまったく意味不明の単語を並べた詩を、唱えているのですから…。
| 番号 | 発行日 | 名称 | 発行部数 シート |
販売期間 (終了日) |
販売地域 |
|---|---|---|---|---|---|
| 299 | 2009.3.2 | 新潟弁 | 2,000部+3,000部 オリジナル |
2009.8.31 | 新潟市内の計115局 |
| 535 | 2009.9.1 | 新潟弁(秋・冬) | 2,500部 オリジナル |
2010.3.31 | 新潟市、五泉市、阿賀野市、新発田市、胎内市、東蒲原郡、北蒲原郡内の計171局 |
| 682 | 2009.11.13 | 津軽弁でしゃべる | 8,000部 オリジナル |
2010.2.12 | 青森県内の全局と仙台中央局 |
| 711 | 2009.12.11 | 富山弁でいかんまいけ! | 1,500部+500部 大型 |
2010.3.10 | 富山県内の全212局 |
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【筆者プロフィール】
言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)

井上史雄(いのうえ・ふみお)
明海大学外国語学部教授。博士(文学)。専門は、社会言語学・方言学。研究テーマは、現代の「新方言」、方言イメージ、言語の市場価値など。
履歴・業績 http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/inouef/
英語論文 http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/affil/person/inoue_fumio/
「新方言」の唱導とその一連の研究に対して、第13回金田一京助博士記念賞を受賞。著書に『日本語ウォッチング』(岩波新書)、『変わる方言 動く標準語』(ちくま新書)、『日本語の値段』(大修館)、『言語楽さんぽ』『計量的方言区画』『社会方言学論考―新方言の基盤』(以上、明治書院)、『辞典〈新しい日本語〉』(共著、東洋書林)などがある。
* * *
【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
方言みやげやグッズから見えてくる、「地域語の経済と社会」とは。方言研究の第一線でご活躍中の先生方によるリレー連載の始まりです。
この連載への質問、また「ここでこんな方言みやげ・グッズを見た」などの情報は、問い合わせフォーム( http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/support/question.html )から、「地域語の経済と社会」への質問・情報である旨を記してご投稿ください。
地域語の経済と社会 第82回
2010年 1月 16日 土曜日 筆者: 井上 史雄地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第82回「新潟弁の方言カルタ ― 新方言「なまら」の使い方」
方言は色々な形で楽しまれています。正月にふさわしい遊びのかるたにも、方言を生かしたものがあります。2009年暮れにかつての教え子が新潟弁の新しいカルタを送ってくれました。読み札に方言が使ってあって、小さな字で意味が書いてあります。
新潟弁といえば、前から気になっていたことがありました。北海道の若者の新方言として、「なまら」が「大変」の意味で使われるのですが、離れた新潟県でも同じ言い方をするのです。さっそく新潟弁かるたの読み札をめくりました。ありました!
「なまらでねんて 金銀財宝 掘り当てた」【写真1】
と書いてあります(ふり仮名が余分についているのはサービスと考えましょう)。意味は「ものすごい」です。「大変」の意味の「なまら」は、新潟から北海道に伝わったのだという説があります。このかるた、新潟弁起源の証拠になるでしょうか。
ところで、インターネットで検索すると、「全国郷土かるた資料館」が出てきます。なんと数百点の「全国の郷土かるた」が、県ごとにリストアップされています。丹念にダウンロードして、方言をテーマにしたものを数えたら、2010.1.1版で計72点もありました。
方言を使うかるたは、東北と九州に多くて関東に少なく、37都道府県に見られます。平成期になって多くなったようです。2009年に各地の民間放送局などで出したものが目立ちます。失われつつある方言をいとおしむ気持ちが強くなったことが、底流にあるのでしょう。最近のいくつかはCD付きですので、ランダム再生の機能を使えば、一人でも遊ぶことができます。少子化の時代にはありがたい技術です。
なおこのシリーズでも、第33回 「方言かるた」あれこれ、第35回「方言かるた(おまけ)」でとりあげています。
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【筆者プロフィール】
言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)

井上史雄(いのうえ・ふみお)
明海大学外国語学部教授。博士(文学)。専門は、社会言語学・方言学。研究テーマは、現代の「新方言」、方言イメージ、言語の市場価値など。
履歴・業績 http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/inouef/
英語論文 http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/affil/person/inoue_fumio/
「新方言」の唱導とその一連の研究に対して、第13回金田一京助博士記念賞を受賞。著書に『日本語ウォッチング』(岩波新書)、『変わる方言 動く標準語』(ちくま新書)、『日本語の値段』(大修館)、『言語楽さんぽ』『計量的方言区画』『社会方言学論考―新方言の基盤』(以上、明治書院)、『辞典〈新しい日本語〉』(共著、東洋書林)などがある。
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【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
方言みやげやグッズから見えてくる、「地域語の経済と社会」とは。方言研究の第一線でご活躍中の先生方によるリレー連載の始まりです。
この連載への質問、また「ここでこんな方言みやげ・グッズを見た」などの情報は、問い合わせフォーム( http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/support/question.html )から、「地域語の経済と社会」への質問・情報である旨を記してご投稿ください。
地域語の経済と社会 第77回
2009年 12月 5日 土曜日 筆者: 井上 史雄地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第77回「イギリスの方言みやげ ― ヨークとニューキャッスルの訛り Dialect souvenir in England ― Accent of York and Newcastle 」
外国の方言みやげは、これまでいくつか紹介されました(第12回「外国の方言みやげ」、第19回「韓国の方言事情」、第67回「リトアニアの方言区画」、第74回「ドイツの方言(ベルリン編)」)。今回は英語の例をお見せします。1989年にイギリスで方言みやげを見つけました。いずれもイギリス(イングランド)北東部の、訛りがきつい地域のものです。
【写真1】はヨークで手に入れたテーブルクロスです。「ヨークシャ方言」は有名です。単語や短文で訛った発音を示そうとしています。
【写真2】はジョーディーGeordie方言のエプロンpinnyです。同じデザインのテーブルクロスもあります。ジョーディーというのは、タインTyne川流域ニューキャッスルの方言のことです。こちらも綴りを変えて発音の違いを示し、面白おかしいことを書いています。
方言みやげは、人々の意識を反映します。英語の訛りの強さは、イギリス(イングランド)の北のほうに際立ちます。これについての英語の論文の一つは、インターネットでダウンロードして読めますし、印刷もできます。English Papers by Fumio Inoueで検索すると出てきます。V章19b論文 “Subjective dialect division in Great Britain” の167ページの地図で場所が分かります。また170ページのグラフで学生の意識が分かります。
実はEnglish Papers by Fumio Inoueは三省堂のサーバーで見ることができます。学術論文を探すには、Google Scholarが便利で、またCINIIやGENIIも役立ちます。でも上の論文は今のところ検索されません。
日本で英語の本を出版しても、高くついて、一部の人しか(だれも?)買いません。インターネットで公開したので、無料配布と同じ効果があります。でもサービスしてくれた三省堂の人は「出版社としては複雑な気持ちだ」と言っていました。せめて三省堂のほかの本が売れるといいのですが。
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井上史雄(いのうえ・ふみお)
明海大学外国語学部教授。博士(文学)。専門は、社会言語学・方言学。研究テーマは、現代の「新方言」、方言イメージ、言語の市場価値など。
履歴・業績 http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/inouef/
英語論文 http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/affil/person/inoue_fumio/
「新方言」の唱導とその一連の研究に対して、第13回金田一京助博士記念賞を受賞。著書に『日本語ウォッチング』(岩波新書)、『変わる方言 動く標準語』(ちくま新書)、『日本語の値段』(大修館)、『言語楽さんぽ』『計量的方言区画』『社会方言学論考―新方言の基盤』(以上、明治書院)、『辞典〈新しい日本語〉』(共著、東洋書林)などがある。
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皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
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地域語の経済と社会 第72回
2009年 10月 31日 土曜日 筆者: 井上 史雄地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第72回「韓国の官製方言グッズ――民俗文化の年と方言大会」
今回はお隣韓国の方言グッズ関連情報をお伝えしましょう。韓国語の方言は、【図1】のように、1 西北方言(旧平安道)、2 東北方言(旧咸鏡道)、3 中部方言(京畿道)、4 西南方言(全羅道)、5 東南方言(慶尚道)、6 濟州方言の6つに区画されます。 韓国では1945年の解放以後は国民の円滑な意思疎通のために標準語政策が国家規模で行われました。しかし近年になって、地域方言を守ろうという意識も芽生えました。各地域の方言を保存しようという動きもあり、国家的な事業として地域語調査が行われました。【図2】は、韓国国立国語院で調査謝礼用などに作った大型の方言ハンカチで、韓国の「にら」の方言分布を表しています。全部で4種類作られました。
ところで、濟州島の方言は、本土の言葉とだいぶ違っていますが、最近濟州方言が話せる人が減ってきました。そこで濟州地域の研究者が中心になって濟州方言を守ろうという運動が始まり、韓国民俗博物館と濟州道が協力関係を結んで、2007年を「濟州民俗文化の年」と制定しました。学術大会、民俗公演などの様々な行事が行われ、 一般人や学生が参加する「濟州方言競演大会」も開かれました。
続いて2008年には全羅北道が選ばれ、「全北民俗文化の年」となりました。同じく競演大会が 井邑(ジョンウプ)で開かれて、一般人や中学生が流行の歌謡曲の歌詞を方言に変えて歌ったり、大学生が演劇を方言でやったり、お話を方言で披露しました。
2009年は「慶北民俗文化の年」で、9月12日に古都慶州で「方言競演大会」が開かれました。【図3】がそのときの方言ハンカチです。官製方言グッズとでもいいましょうか。大会のスローガン「와카노, 와 이카노? (ワカノ、ワイカノ/どうして?どうしたの?)」が書かれています。ソウルの標準語なら「왜 그래, 왜 이러는 거야? (ウェグレ、ウェイロヌンゴヤ?)」です。来年度は忠淸南道が選ばれて、「忠南民俗文化の年」になります。どうぞいらしてください。
(以上、韓国の知り合いの研究者金順任(きむ すにむ)さんに伝えていただきました。なお韓国の方言グッズについては、第19回 山下暁美さん「お隣の国、韓国の方言事情」でも扱われています。)
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【筆者プロフィール】
言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)

井上史雄(いのうえ・ふみお)
明海大学外国語学部教授。博士(文学)。専門は、社会言語学・方言学。研究テーマは、現代の「新方言」、方言イメージ、言語の市場価値など。
履歴・業績 http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/inouef/
英語論文 http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/affil/person/inoue_fumio/
「新方言」の唱導とその一連の研究に対して、第13回金田一京助博士記念賞を受賞。著書に『辞典〈新しい日本語〉』(共著、東洋書林)、『日本語は年速一キロで動く』(講談社現代新書)、『変わる方言 動く標準語』(ちくま新書)、『日本語ウォッチング』(岩波新書)、『その敬語では恥をかく!』(PHP新書)、『言語楽さんぽ』『社会方言学論考―新方言の基盤』(ともに明治書院)、監修に『方言と地図』(フレーベル館、最新刊)などがある。
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皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
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地域語の経済と社会 第67回
2009年 9月 26日 土曜日 筆者: 井上 史雄地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第67回「世界唯一の方言チョコレート―リトアニアの方言区画」
The world’s only dialect chocolate — Dialect division of LITHUANIA (LIETUVA)
方言研究についての小さな国際会議がありました。3年ごとに開かれているので、前に会った人と再会して近況を報告しあうのも楽しみの一つです。2009年の開催地はスロベニアという、かつてのユーゴスラビアの北西の独立国です。初日の休憩時間に、見覚えのある女性がにこやかに近付いて来て、「リトアニアの方言区画のチョコレートです」と言って、板チョコをくれました。LIETUVAと書いてある箱をみると、地図の形のチョコレートは5個の地域に区切られていて、それぞれに名前が付いています。方言区画の地図はいくつかの国で市販されていますが、みやげもののチョコレートでは初めてです。【写真1、2】
6年前のリトアニアでの国際会議のときに方言区画に関係する発表をし、また主催者たちに小さなみやげものを持って行ったのを、覚えてくれていたのでしょう。G. Kaciuskieneさんでした。
幸いに日本の方言みやげが、ホテルに置いてありました。直前に札幌に行って、「とうきびチョコレート」を買っておいたのです。「標準語のトウモロコシを北海道ではトウキビと言って、それをみやげものの名前にも使っている」と書いて(口で言っても通じないからですが)、次の日にお返しに渡しました。
そのあとでチョコレートの箱の裏の説明をよく見たら、「歴史的な地域によって分割したリトアニアの地図」と書いてあります。日本からの他の研究者に言ったら、「現在の学問的な方言区画とは違うのではないか」とケチを付けられてしまいました。女性からチョコレートをもらって舞い上がってはいけないと、さとす意図もあったのでしょう。でもリトアニアの方言の専門家が言うのですから、歴史的な地域は国民の方言区画の意識と一致するのでしょう。
一般人の方言意識は、昔の政治的領域に支配されるようです。例えば日本でも青森県の人は「南部弁と津軽弁は違う」と言い、実際に江戸時代の旧藩の違いが影響を与えています。愛知県でも古い国の区分を使って「三河と尾張は違う」と言うし、広島県でも「備後弁と(安芸の国の)広島弁は違う」と言います。ドイツの方言の違いも中世の封建国家や、さらに昔のゲルマン民族の支配地域と結び付けて説明されます。リトアニアのチョコレートも、民衆の方言区画の意識を示すものと考えていいでしょう。
だとすると今のところ世界唯一の方言区画チョコレートという貴重品です。冷蔵庫で永久保存すべきでしょうか?
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地域語の経済と社会 第62回
2009年 8月 22日 土曜日 筆者: 井上 史雄地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第62回「方言駅弁「ずうずう弁」とのお別れ」
郡山に行く用事ができました。各地で方言グッズを探すのは習慣になっていましたが、郡山では駅弁を買わなければなりません。何しろ「ずうずう弁」という名前で、方言の意味の「弁」と弁当の意味の「弁」の両方をかけことばにしている逸品があるからです。
これを最初に手に入れたのは、1981年。学生と一緒に東北地方の方言調査に行った帰りの列車で、郡山あたりでおなかがすいたので偶然買ったのです。駅弁の中に紙が入っていて、上段の方言と下段の標準語を結びつける形のクイズになっていたので、食べた後も楽しめました。そのあとも、郡山駅を通ったときに手に入れました。クイズの形式と単語は少し変わっていましたが、弁当は健在でした。
しかし今回2009年6月には見当たりませんでした。駅弁の売店で、以前の事情を知っていそうな年期の入ったおばさんに聞いたら、「半年ほど前にやめた」とのことでした。「今はこれなんですよ」と見せてくれたのは、方言との関係が全然ない駅弁でした。
手元のコレクションにある「ずうずう弁」の中のクイズを今改めて見たら、その後の方言研究で新たな位置づけのできた貴重なことばも見つかりました。
「ぼっこっちゃ」は「こわれた」の意味で、「ぼっこれる」は「こわれる」にあたりますが、最後の「レタ」が「ッチャ」になっているのは珍しい現象です。これは近代になってから福島県で生まれた「新方言」です。別の紙では、「もっとくんち」は「もっとちょうだい」と訳されていますが、「くれて」が「くんちぇ」になりさらに「くんち」になったのでしょう。この二つは、ラ行音がタ行音やナ行音とつながるときに、福島県で発音の変化があったとして、説明できます。「げんじょも」は「けれども」の意味ですが、これも同じように説明できます。
駅弁のような、学問的研究では見逃されそうなものからでも、様々な有益な情報が読み取れます。それなのに、方言グッズの一つが今退場したのは淋しいことです。
なお、駅弁については、全国にマニアがいて、インターネットでも様々な情報が得られます。松山駅にも方言を載せた駅弁があります。また郡山駅で手に入らなかった「ずうずう弁」の写真が、下記の製造元のホームページに載っています。
⇒福豆屋の駅弁紹介ページ(http://www.fukumameya.co.jp/ekiben.html)へ
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地域語の経済と社会 第57回
2009年 7月 18日 土曜日 筆者: 井上 史雄地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第57回「究極の方言みやげ保存法」


【写真1 大阪弁カステラ(中身)】
(下は一部の拡大)


【写真2 大阪弁カステラ(箱)】
(右は一部の拡大)


【写真3 大阪弁カステラまんじゅう(箱)】
(右は一部の拡大)

【写真4 大阪弁カステラまんじゅう(中身)】
大阪でミニカステラまんじゅうを見つけました。第52回でふれた京都のものと、大きさが似ているし、1個1個に焼印で記してある方言があいさつことばなのも似ています。文字は「おおきに」「まいど」「せやけど」「すんまへん」で【写真1】、包み紙には「おおきに」と「まいど」しか書いてないので【写真2】、買って、写真を撮って記録に残しました。実物は結局食べてしまいました。味も京都のと似ていました。
大阪では、もっと大きいカステラまんじゅうも見つけました。包み紙には13個の表現が書いてありますが【写真3】、いずれも会話で使われる言い回しです。しかし実物の焼印の文字は細かくて【写真4】、字がつぶれています。右の4行は「さよか」「どないやねん」「たのむわー」「まけてんか」です。左の3行はデジカメ写真を拡大して、「どやろー」「もうかりまっかー」「ぼちぼちでんな」と読み取りました。いずれも店でのやりとりの言い方ですが、包み紙とは違うことばですから、実物の保存がぜひ必要です。しかし写真に撮ったあと、これが究極の方言みやげ保存法なのだと自分に言い聞かせながら、お腹に収めました。何しろ体細胞の一部に変化させるわけですから。
第52回でふれた京都のミニカステラも合わせて、三つのお菓子の方言がいずれもあいさつなどの表現なのは、意味がありそうです。京都・大阪の方言みやげには、「おおきに」や「まいど」はじめ、人とのやりとりで使われるあいさつことばがよく表れます。しかしほかの地域の方言みやげでは、むしろモノや動作や感じを表わすことばが、多いようです。京都の人あしらい、大阪のボケとツッコミなど、会話の進め方に気を使うのが、関西人です。さあ、方言みやげに取り上げられることばに、全国的な違いはあるでしょうか。
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【筆者プロフィール】
言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)

井上史雄(いのうえ・ふみお)
明海大学外国語学部教授。博士(文学)。専門は、社会言語学・方言学。研究テーマは、現代の「新方言」、方言イメージ、言語の市場価値など。
履歴・業績 http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/inouef/
英語論文 http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/affil/person/inoue_fumio/
「新方言」の唱導とその一連の研究に対して、第13回金田一京助博士記念賞を受賞。著書に『辞典〈新しい日本語〉』(共著、東洋書林)、『日本語は年速一キロで動く』(講談社現代新書)、『変わる方言 動く標準語』(ちくま新書)、『日本語ウォッチング』(岩波新書)、『その敬語では恥をかく!』(PHP新書)、『言語楽さんぽ』『社会方言学論考―新方言の基盤』(ともに明治書院)、監修に『方言と地図』(フレーベル館、最新刊)などがある。
* * *
【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
方言みやげやグッズから見えてくる、「地域語の経済と社会」とは。方言研究の第一線でご活躍中の先生方によるリレー連載の始まりです。
この連載への質問、また「ここでこんな方言みやげ・グッズを見た」などの情報は、問い合わせフォーム( http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/support/question.html )から、「地域語の経済と社会」への質問・情報である旨を記してご投稿ください。
地域語の経済と社会 第52回
2009年 6月 13日 土曜日 筆者: 井上 史雄地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第52回「お菓子のバーチャル方言博物館」
京都で、包み紙に方言が書いてあるので、お菓子を買いました。開けてみたらミニカステラまんじゅうで、1個1個に焼印で方言が記してあります。真空包装で字がつぶれて読み取りにくいですが、「おいでやす」「おへん」「そうどすえ」「ごめんやす」で、あいさつことばでした。
冷凍庫に入れて永久保存しようかと思いましたが、スペースがありません。包み紙に書いてあることばと同じなので、記録写真を撮って、食べてしまいました。
方言みやげの大部分は保存できるので、誰かが手元にとどめてくれるでしょう。しかし保存できないお菓子の実物は困ります。飾っておくわけには行かないし、冷凍庫に入れて永久保存しても、取り出して眺めるたびに解凍が進むのでは厄介です。
写真に撮るのが一番で、このカラー写真も貴重な記録になります。それに、インターネットで公開すれば、バーチャル方言博物館ができます。
(この続きの大阪の話は、5週間後、第57回に続きます。)
* * *
そういえば、この稿の筆者の社会言語学・計量方言学に関する英語論文が、三省堂のホームページに載りました。インターネットでバーチャルな本が出版されたようなものです。もっともこの日本語記事を読んでいる人は、英語論文に興味がないでしょうから、世の中うまく行かないものです。
English Papers on Sociolinguistics and Computational Dialectology
――Language Market, New Dialect and Dialect Image――
(社会言語学・計量方言学英語論文――言語市場・新方言・方言イメージ――)
http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/affil/person/inoue_fumio/index_eng.html
* * *
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言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
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井上史雄(いのうえ・ふみお)
明海大学外国語学部教授。博士(文学)。専門は、社会言語学・方言学。研究テーマは、現代の「新方言」、方言イメージ、言語の市場価値など。
履歴・業績 http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/inouef/
英語論文 http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/affil/person/inoue_fumio/
「新方言」の唱導とその一連の研究に対して、第13回金田一京助博士記念賞を受賞。著書に『辞典〈新しい日本語〉』(共著、東洋書林)、『日本語は年速一キロで動く』(講談社現代新書)、『変わる方言 動く標準語』(ちくま新書)、『日本語ウォッチング』(岩波新書)、『その敬語では恥をかく!』(PHP新書)、『言語楽さんぽ』『社会方言学論考―新方言の基盤』(ともに明治書院)、監修に『方言と地図』(フレーベル館、最新刊)などがある。
* * *
【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
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地域語の経済と社会 第47回
2009年 5月 9日 土曜日 筆者: 井上 史雄地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第47回「恋をはぐくむ沖縄方言」
沖縄県は方言の宝庫ですが、方言みやげの宝庫でもあって、他地方とは一味違ったものが見られます。
昔沖縄ファンの教え子がおみやげとして持ってきてくれたのは、【写真1】のハンカチでした。まだ方言手ぬぐいが主流だった時期ですから新鮮でした。それに載せてあることばも興味深いものでした。順番に読むと、出会いのあいさつがあり、家族を表す単語と「結婚」や「こども」が並びます。沖縄を訪ねた人が、恋をして結婚を申し込み、子供ができるまでのことばを並べたとも受け取れます。
つまりは、「やまとぅんちゅ」(大和人=本土の人)が沖縄に住み着くための実用単語集とも解釈できます。
さて、結婚してこどもが生まれ、成長して入学します。そこで役立つものも方言みやげになっています。
【写真2】は50音表です。小学校1年生の教室で使いそうな大きなポスターです。この表ではかな文字の使われることばが赤で示されていますが、大きなかな文字の右側の沖縄方言の言い方に、赤が見られないものがあります。エケセネヘメ、ヨロです。よく見ると、大きなかな文字の下の共通語訳の一部が赤になっています。どうしてなんでしょう。
実は沖縄の那覇市あたりの方言では、母音が基本的には三つに減りました。かつてオがウに、エがイになったのです。ですからオ段、エ段の使われる沖縄ことばを探すのはかなり厄介です。共通語訳でその発音が出るだけなのです。ここまで読み取れれば、もう沖縄人として大学生レベルです。
社会人として沖縄ことばの単語数を増やそうとしたら、辞書が必要です。これも方言みやげとして用意してあります。小さな沖縄方言辞書が付いているキーホルダーをもらったことがあります。方言豆本の小ささでは、日本一かもしれません。
沖縄の方言みやげには、こんなふうに、本土にはない発想のものがたくさんあります。2005年に沖縄に行った時に、那覇市内を回りました。方言みやげは、以前にくらべ増えていました。でも一部はもう見つからなくなっていました。方言みやげは短命なのです。目についたら買う(か記録にとる)ことが原則です。これまでに方言研究者の目にふれずに、記録されずに消えた方言みやげは、数多いでしょう。このサイトでは、一部分だけでも公開しながら、記録しているのです。ここを読んだ方、何か情報があったらお知らせください。レアものかもしれませんよ。
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井上史雄(いのうえ・ふみお)
明海大学外国語学部教授。博士(文学)。専門は、社会言語学・方言学。研究テーマは、現代の「新方言」、方言イメージ、言語の市場価値など。
履歴・業績 http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/inouef/
英語論文 http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/affil/person/inoue_fumio/
「新方言」の唱導とその一連の研究に対して、第13回金田一京助博士記念賞を受賞。著書に『辞典〈新しい日本語〉』(共著、東洋書林)、『日本語は年速一キロで動く』(講談社現代新書)、『変わる方言 動く標準語』(ちくま新書)、『日本語ウォッチング』(岩波新書)、『その敬語では恥をかく!』(PHP新書)、『言語楽さんぽ』『社会方言学論考―新方言の基盤』(ともに明治書院)、監修に『方言と地図』(フレーベル館、最新刊)などがある。
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地域語の経済と社会 第42回
2009年 4月 4日 土曜日 筆者: 井上 史雄地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第42回「方言コマーシャルの系譜とアクセントのアッパーライン(ルビによる上線)」
「暖かい」の方言コマーシャル
方言の経済的な価値を考えるとしたら、テレビコマーシャルの方言活用が面白いテーマです。
古い話ですが、「チカレタビー」が1975(昭和50)年の流行語になりました。中外製薬の栄養剤グロンサンのコマーシャルで、日本各地の「疲れた」という方言をシリーズにしたのですが、秋田県花輪のが面白いと、評判になりました。収録のときに、地元の人に何度も演じてもらいましたがうまく行かなかったそうです。スタッフがふざけてまねて演じたのが取り上げられたもので、いわばにせものの方言でした。
本物の秋田弁なら「ツカレタベー」と聞こえるのですが、母音の違いを強調して「チカレタビー(B)」に近く発音しました。流行すると増殖現象が起こって、「チカレタシー(C)」も登場して、〈疲れが激しい〉意味で使われました。
ちょうどそのころが方言の復権の時期でした。1980年代にもときどき方言のコマーシャルがありました。その貴重な実例を、音源(
)でお聞かせしましょう。マークをクリックして、どうぞ。これは本や雑誌ではできない芸当です。
1986年ころの録音です。文字化すると次のような文章です。単語と発音に気を付けると、どこの方言かが分かります。その直前に各地の教育委員会に手紙を出して「暖かい」の全国地図を作りましたが、その実例が一本のコマーシャルで聞けました。家で寝ころんでも聞けるわけですから、いい時代になったものだと、感無量でした。
日本中のかたこりさん、ハリックスゴーゴーにあったかーい温感タイプが出ましたー。
あったかいがねー(愛知)
のごいすな (青森)
ぬくいわ (京都)
ぬっかー (鹿児島)ハリックスゴーゴーは血行をよくし、あったかーい貼りごこちで、肩こり腰痛などをやわらげます。(後略)
アクセントのアッパーライン(ルビによる上線)
ところで上の文字化では、アクセントの高いところをアッパーラインで示しました。これはインターネットならではの方法ですが、ワープロソフトでも示すことができる「秘法」があります。
昔は、縦書きでアクセントを示すには、高いところに傍線を引いていました。ところがこれを横書きにすると、ワープロの文書では下線になってしまいます。アクセントの高いところを示すには、従来の慣習どおり、上線(アッパーライン)を使いたいところです。
雑誌『日本語学』の連載で、〈ワープロソフトの「一太郎」ではアッパーラインを引けるが、ワープロソフトの「ワード」では引けない〉と書きました。その後NHK放送文化研究所のSさんからメールがあって、〈「ワード」でもルビを使えば上線を引ける〉と教わりました(明治書院『日本語学』2009年3月号、4月号〈ことばの散歩道〉130、131)。なるほどそのとおりでした。下に実例をあげましょう。
【「ワード2007」の振り仮名機能を使うには】

【「ワード2000」などの振り仮名機能を使うには】

ワープロソフトのルビ(振り仮名)機能を使うには、上のようにアッパーラインを付ける文字を指定したあと、「ワード2007」なら[ホーム]の
をクリックしてください。「ワード2000」「ワード2003」などでは[書式]から[拡張書式]のなかにある[ルビ]を選択してください。下のような画面が出ますから、1文字につき横線(ダッシュ「―」)2本をルビとして設定すると、ちゃんとアクセントのための上線になります。

共通語(東京)アクセントでは、どこから低くなるかが重要です。そして最初の1拍はふつう低く発音されます。しかし全国の方言が共通語と同じ規則性を持つわけではありませんから、実際にどこが高く発音されるかを、線で忠実に示すほうがいいでしょう。少し高いとか大変高いとかを、点線や太線を使って区別することもできます。
「秘法」をインターネットで公開したら秘法でなくなりますが、お役には立ちます。楽しいだけでなく実用として役立つ文を、これからも心掛けます。
ワードによるアッパーラインの引き方が、以上の説明で分からなかった方は、まずヘルプ機能を活用して、ルビ(振り仮名)の付け方を、練習してください。そのあと、ルビ(振り仮名)の文字の代わりに線を入れてみてください。
なお今回の稿については、三省堂編集部の荻野(真友子)さんに大いにご助力をいただきました。御礼申し上げます。
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2007年









