人名用漢字の新字旧字:「湿」と「溼」

2011年 7月 28日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第91回 「湿」と「

091shitsu-old.png新字の「湿」は、常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。つまり、新字の「湿」は出生届に書いてOKですが、旧字の「」はダメ。こうなってしまった原因には、俗字の「濕」の存在があるのです。

大日本帝国陸軍が昭和15年2月29日に通牒した兵器名称用制限漢字表は、兵器の名に使える漢字を1235字に制限したものでした。陸軍では、おおむね尋常小学校4年生までに習う漢字959字を一級漢字とし、これに兵器用の二級漢字276字を加えて、合計1235字を兵器の名に使える漢字として定めたのです。この二級漢字の中に、新字の「湿」が含まれていました。

漢字制限に関する審議をおこなっていた国語審議会は、昭和17年6月17日、文部大臣に標準漢字表を答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、2528字が収録されていました。しかし、この2528字には、新字の「湿」も旧字の「」も含まれていませんでした。その代わり、俗字の「濕」が、標準漢字表には収録されていました。国語審議会は、戦後もこの方針を貫き、昭和21年11月5日に答申した当用漢字表でも、俗字の「濕」を収録していました。翌週11月16日に当用漢字表は内閣告示され、俗字の「濕」は当用漢字になりました。

昭和23年1月1日に戸籍法が改正され、子供の名づけに使える漢字が、この時点での当用漢字表1850字に制限されました。当用漢字表には、俗字の「濕」が収録されていたので、「濕」は子供の名づけに使ってよい漢字になりました。この時点で、新字の「湿」も旧字の「」も、出生届に書いてはいけない字となってしまったのです。

当用漢字字体の整理をおこなうべく、文部省教科書局国語課は昭和22年7月15日、活字字体整理に関する協議会を発足させました。活字字体整理に関する協議会は、昭和22年10月10日に活字字体整理案を国語審議会に報告しました。活字字体整理案では、俗字の「濕」を新字の「湿」に整理することが提案されていました。これを受けて、国語審議会が昭和23年6月1日に答申した当用漢字字体表では、俗字の「濕」の代わりに、新字の「湿」が収録されたのです。

昭和24年4月28日に、当用漢字字体表が内閣告示された結果、新字の「湿」が当用漢字となり、俗字の「濕」は当用漢字ではなくなってしまいました。当用漢字表にある俗字の「濕」と、当用漢字字体表にある新字の「湿」と、どちらが子供の名づけに使えるのかが問題になりましたが、この問題に対し法務府民事局は、俗字の「濕」も新字の「湿」もどちらも子供の名づけに使ってよい、と回答しました(昭和24年6月29日)。 しかし、旧字の「」は、相変わらず子供の名づけには使えなかったのです。

その後、常用漢字表の時代になって、新字の「湿」が常用漢字になると同時に、俗字の「濕」も人名用漢字になりました。でも旧字の「」は、常用漢字にも人名用漢字にもなれませんでした。それが現在も続いていて、「湿」と「濕」は出生届に書いてOKですが、「」はダメなのです。

【筆者プロフィール】

安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター准教授。
京都大学博士(工学)。JIS X 0213の制定および改正で委員を務め、その際に人名用漢字の新字旧字を徹底調査するハメになった。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)、『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。
http://slashdot.jp/~yasuoka/journal で、断続的に「日記」を更新中。


人名用漢字の新字旧字:「栖」と「棲」

2011年 7月 14日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第90回 「栖」と「棲」

新字の「栖」は人名用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「棲」も人名用漢字なので、子供の名づけに使えます。つまり、「栖」も「棲」も出生届に書いてOK。実は「栖」と「棲」の新旧については議論があるのですが、ここではあえて「棲」を旧字、「栖」を新字と呼ぶことにしましょう。

昭和21年11月16日に内閣告示された当用漢字表には、新字の「栖」も、旧字の「棲」も、含まれていませんでした。昭和23年1月1日に戸籍法が改正され、子供の名づけに使える漢字が当用漢字表1850字に制限された結果、「栖」も「棲」も子供の名づけに使えなくなりました。

昭和53年1月1日に制定された漢字コード規格JIS C 6226では、旧字の「棲」が第1水準漢字に収録されていました。上村一夫の『同棲時代』や、南こうせつとかぐや姫の『神田川』に代表されるように、昭和40年代の終わりには「同棲」という言葉は、使用頻度の高い単語となっていました。それがJIS C 6226の制定作業にも影響を及ぼし、「棲」が第1水準に入れられたのです。また、新字の「栖」も第1水準漢字に収録されていました。JIS C 6226は、都道府県名と当時の市町村名を全て第1水準漢字に含めることを目指していたので、佐賀県鳥栖市や茨城県神栖町の「栖」は第1水準に入れられたのです。

しかし、昭和56年10月1日に内閣告示された常用漢字表には、新字の「栖」も、旧字の「棲」も、含まれていませんでした。国語審議会は「栖」も「棲」も、日本で常用される漢字だとはみなさなかったのです。その結果「栖」も「棲」も、子供の名づけに使えるようにはなりませんでした。

平成12年12月8日、国語審議会は表外漢字字体表を答申しました。表外漢字字体表は、常用漢字(および当時の人名用漢字)以外のよく使われる漢字に対して、印刷に用いる字体のよりどころを示したもので、1022字の印刷標準字体が収録されていました。この中に、「栖」と「棲」が両方とも含まれていました。「栖」と「棲」は異体字の関係にあるが、既に別字意識が生じているので、これらを両方とも印刷に用いてよい、と国語審議会は判断したのです。

法制審議会のもと平成16年3月26日に発足した人名用漢字部会は、当時最新の漢字コード規格JIS X 0213(平成16年2月20日改正版)、文化庁が表外漢字字体表のためにおこなった漢字出現頻度数調査(平成12年3月)、全国の出生届窓口で平成2年以降に不受理とされた漢字、の3つをもとに審議をおこないました。新字の「栖」は、全国50法務局のうち出生届を拒否された管区は無かったものの、漢字出現頻度数調査の結果が361回で、JIS X 0213の第1水準漢字だったので、人名用漢字の追加候補となりました。一方、旧字の「棲」は、やはり出生届を拒否された管区は無かったものの、出現頻度が1030回で、JIS X 0213の第1水準漢字だったので、人名用漢字の追加候補となりました。

平成16年6月11日、人名用漢字部会は、578字の追加案を公開しました。この578字の中に、新字の「栖」と旧字の「棲」が両方含まれていました。「莱」と「のケースと違って、人名用漢字部会は、「栖」と「棲」をまとめるようなことはしませんでした。平成16年9月8日、法制審議会は人名用漢字の追加候補488字を答申し、9月27日の戸籍法施行規則改正で、これら488字は全て人名用漢字に追加されました。この結果、新字の「栖」と旧字の「棲」は、両方とも人名用漢字になりました。それが現在も続いていて、「栖」も「棲」も出生届に書いてOKなのです。

【筆者プロフィール】

安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター准教授。
京都大学博士(工学)。JIS X 0213の制定および改正で委員を務め、その際に人名用漢字の新字旧字を徹底調査するハメになった。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)、『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。
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人名用漢字の新字旧字:「父」と「父」

2011年 6月 30日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第89回 「父」と「

089chichi-old.png新字の「父」は、常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「」(右図参照)は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。旧字の「」と新字の「父」の違いは、4画目の筆押さえの有無なのですが、出生届に書いてOKなのは新字の「父」だけなのです。

昭和21年11月16日に官報告示された当用漢字表には、旧字の「」が収録されていました。官報の印刷をおこなっていた印刷局の活字が、そういう字体だったのです。昭和23年1月1日に戸籍法が改正され、子供の名づけに使える漢字は、この時点の当用漢字1850字に制限されました。旧字の「」は当用漢字に含まれていたので、出生届に書いてOKですが、新字の「父」は出生届に書けなくなってしまったのです。

一方、国語審議会は、昭和23年6月1日、当用漢字字体表を答申しました。当用漢字字体表は、当用漢字1850字の全字体を手書きで示したもので、「父」の筆押さえは無くなっていました。新字の「父」になっていたのです。昭和24年4月28日に、この当用漢字字体表が内閣告示された結果、新字の「父」が当用漢字となり、旧字の「」は当用漢字ではなくなってしまいました。当用漢字表にある旧字の「」と、当用漢字字体表にある新字の「父」と、どちらが子供の名づけに使えるのかが問題になりましたが、この問題に対し法務府民事局は、旧字の「」も新字の「父」もどちらも子供の名づけに使ってよい、と回答しました(昭和24年6月29日)。

昭和52年1月21日、国語審議会は新漢字表試案を発表します。新漢字表試案は、当用漢字に83字を追加し33字を削除する案で、新字の「父」を含む1900字を収録していました。ところが、昭和54年3月30日に中間答申した常用漢字表案で、国語審議会は妙なことを言い始めます。常用漢字表案には新字の「父」が収録されていたのですが、新字の「父」の字体は単なる例であって、明朝体活字のデザイン上、筆押さえが有っても無くてもかまわない、と言い始めたのです。つまり、新字の「父」(筆押さえが無い)であっても、旧字の「」(筆押さえが有る)であっても、国語審議会としてはどちらでも常用漢字とみなしてかまわない、と言い始めたのです。昭和56年3月23日に答申した常用漢字表1945字においても、国語審議会の態度は同様でした。

困ったのは、子供の名づけに使える漢字を審議していた民事行政審議会です。新字の「父」と旧字の「」の両方を子供の名づけに認めるのか、それともどちらか片方だけにするのか。結局、昭和56年5月14日の民事行政審議会答申では、新字の「父」だけを認める、という結論が示されました。明朝体活字デザイン上の差であるとしても、常用漢字表に現実に掲載されているのは、新字の「父」です。その状態で、新字の「父」と旧字の「」の両方を認め続けると、戸籍事務処理上、少なからぬ支障をきたす、というのが民事行政審議会の判断でした。

この結果、昭和56年10月1日の常用漢字表内閣告示と同時に、旧字の「」は子供の名づけに使えなくなりました。それが現在も続いていて、新字の「父」は出生届に書いてOKですが、旧字の「」はダメなのです。

【筆者プロフィール】

安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター准教授。
京都大学博士(工学)。JIS X 0213の制定および改正で委員を務め、その際に人名用漢字の新字旧字を徹底調査するハメになった。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)、『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。
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人名用漢字の新字旧字:「隷」と「隸」

2011年 6月 16日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第88回 「隷」と「隸」

新字の「隷」(左上が士)は、常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「隸」(左上が木)は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。新字の「隷」は出生届に書いてOKですが、旧字の「隸」はダメ。実は「隷」と「隸」は単なる字体差に過ぎないのですが、ここではあえて「隷」を新字、「隸」を旧字と呼ぶことにしましょう。

漢字制限に関する審議をおこなっていた国語審議会は、昭和17年6月17日、文部大臣に標準漢字表を答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、2528字が収録されており、旧字の「隸」が含まれていました。標準漢字表は、昭和17年12月4日に文部省から発表されたものの、しかし、一般社会における漢字制限とはならず、あくまで義務教育で習得する漢字の標準という形にしかなりませんでした。

昭和21年4月27日、国語審議会は、常用漢字表を審議していました。この常用漢字表は、標準漢字表再検討に関する主査委員会が国語審議会に提出したもので、1295字を収録していました。しかし、この1295字には、新字の「隷」も旧字の「隸」も含まれていませんでした。この常用漢字表に対し、国語審議会は5月8日の総会で、さらなる検討を要する、と判断しました。それにともない、6月4日、常用漢字に関する主査委員会が発足しました。

常用漢字に関する主査委員会は、昭和21年8月24日の委員会で、新字の「隷」と旧字の「隸」のどちらを常用漢字に収録すべきか議論しました。というのも、この時点での日本国憲法草案は、新字の「隷」と旧字の「隸」の両方を使っていたからです。具体的には、前文には旧字の「隸從」が使われていて、第18条には新字の「奴隷」が使われていました。主査委員会は、日本国憲法に必要な漢字は全て常用漢字に収録しておくべきだ、と考えていたのです。しかし、新字の「隷」と旧字の「隸」のどちらを常用漢字に加えるかは、この日の委員会では結論が出ず、帝国議会での日本国憲法草案の審議を待つことになりました。

果たせるかな、昭和21年11月3日に公布された日本国憲法は、前文も第18条も新字の「隷」になっていました。これに合わせ、11月5日に国語審議会が答申した当用漢字表は、手書きのガリ版刷りだったものの、新字の「隷」を収録していました。翌週11月16日に当用漢字表は内閣告示され、新字の「隷」は当用漢字になりました。

昭和23年1月1日に戸籍法が改正され、子供の名づけに使える漢字が、この時点での当用漢字表1850字に制限されました。当用漢字表には、新字の「隷」が収録されていたので、「隷」は子供の名づけに使ってよい漢字になりました。旧字の「隸」は子供の名づけに使えなくなりました。その後、常用漢字表の時代になって、新字の「隷」は常用漢字になりましたが、旧字の「隸」は人名用漢字になれませんでした。それが現在も続いていて、新字の「隷」は子供の名づけに使ってOKですが、旧字の「隸」はダメなのです。


【筆者プロフィール】
安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター准教授。
京都大学博士(工学)。JIS X 0213の制定および改正で委員を務め、その際に人名用漢字の新字旧字を徹底調査するハメになった。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)、『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。
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人名用漢字の新字旧字:「肇」と「肇」

2011年 6月 2日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第87回 「肇」と「

087hajime-old.png先月の5月25日で、人名用漢字は60歳になりました。そう、60年前の昭和26年5月25日、人名用漢字別表92字が内閣告示されたのです。この92字の中に、旧字の「」(左上が)が含まれていました。この日から、旧字の「」が、子供の名づけに使えるようになったのです。

実は、その11日前の昭和26年5月14日に、国語審議会は人名漢字に関する建議を発表していました。国語審議会は、子供の名づけに使える漢字を92字ふやすべく、この建議を発表したのです。この92字に含まれていたのは、しかし、旧字の「」(左上が)ではなく、新字の「肇」(左上が戸)でした。これに対し、5月25日に内閣告示された人名用漢字別表では、新字の「肇」ではなく、旧字の「」が官報に掲載されていました。国語審議会の意図とは微妙に異なり、旧字の「」が人名用漢字になってしまったのです。しかも、その後の官報でも、人名用漢字別表は訂正されなかったことから、旧字の「」が使い続けられることになりました。

ところが、昭和32年2月22日に琉球政府が告示した人名用漢字表92字には、新字の「肇」が収録されていました。沖縄では子供の名づけに新字の「肇」が使えるのに、本土では旧字の「」しか使えない、という不思議な事態になってしまったのです。しかし、この事態も、昭和47年5月15日に沖縄が日本に復帰した結果、旧字の「」に一本化されました。

昭和54年1月25日に発足した民事行政審議会では、旧字の「」が問題となりました。国語審議会が審議中の常用漢字表案では、たとえば「啓」が新字体になっているのに、人名用漢字の「」が旧字体ではおかしい、というのです。この問題をめぐって、民事行政審議会はモメました。選択肢の一つは、「啓・」と「肇・」に関して、新字・旧字の両方を子供の名づけに認める、という案でした。もう一つの選択肢は、「啓」と「肇」の新字だけを認める、という案でした。

昭和56年3月23日、国語審議会が常用漢字表を答申するに至って、民事行政審議会は結論を迫られました。そして、4月22日の総会で、民事行政審議会は、「啓」と「肇」の新字だけを子供の名づけに認める、と決定したのです。この結果、5月14日の民事行政審議会答申では、新字の「啓」と「肇」は子供の名づけに使ってよいが、旧字の「」と「」はダメ、となったのです。

昭和56年10月1日、常用漢字表が内閣告示されると同時に、戸籍法施行規則も改正されました。この際、民事行政審議会答申にしたがって、新字の「肇」が人名用漢字に追加され、旧字の「」は人名用漢字から削除されました。それが現在も続いていて、新字の「肇」は出生届に書いてOKですが、旧字の「」はダメなのです。旧字の「」は、昭和26年5月25日から昭和56年9月30日まで子供の名づけに使えた、幻の人名用漢字なのです。


【筆者プロフィール】
安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター准教授。
京都大学博士(工学)。JIS X 0213の制定および改正で委員を務め、その際に人名用漢字の新字旧字を徹底調査するハメになった。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)、『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。
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人名用漢字の新字旧字:「𠮷」と「吉」

2011年 5月 19日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第86回 「𠮷」と「吉」

086yoshi-new.png旧字の「吉」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。新字の「𠮷」(土のしたに口)は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。「吉」と「𠮷」は、実は単なる字体の差に過ぎないのですが、ここではあえて、「吉」を旧字、「𠮷」を新字と呼ぶことにしましょう。

昭和21年11月16日に告示された当用漢字表には、旧字の「吉」が収録されていました。この告示は、内閣総理大臣の名において官報に掲載されたのですが、官報に印刷された内閣総理大臣の名は「𠮷田茂」でした。当用漢字表には旧字の「吉」を収録しておきながら、内閣総理大臣自身は新字の「𠮷」を使っていたのです。ただし、告示された当用漢字表のまえがきには「字体と音訓との整理については、調査中である」と書かれていました。当用漢字表の字体は、まだ変更される可能性があったのです。

字体の整理をおこなうべく、文部省教科書局国語課は昭和22年7月15日、活字字体整理に関する協議会を発足させました。活字字体整理に関する協議会は、昭和22年10月10日に活字字体整理案を国語審議会に報告しました。この整理案では、新字の「𠮷」ではなく、旧字の「吉」を活字字体として使うべきだ、と報告されていました。また、昭和23年1月1日に戸籍法が改正され、子供の名づけに使える漢字が、当用漢字表1850字に制限されました。当用漢字表には、旧字の「吉」が収録されていたので、「吉」は子供の名づけに使ってよい漢字になりました。新字の「𠮷」は、子供の名づけに使えなくなりました。

昭和23年6月1日、国語審議会は当用漢字字体表を答申しました。活字字体整理案を受けて、当用漢字字体表にも、旧字の「吉」が収録されていました。昭和24年4月28日、当用漢字字体表が内閣告示されるにあたり、内閣総理大臣は一つの決断をしました。官報に掲載する名を「吉田茂」と改めたのです。前日の4月27日までは、新字の「𠮷」で「𠮷田茂」としていたところ、この日以降の官報は、全て旧字の「吉」で「吉田茂」を印刷することにしたのです。

半世紀の後、平成16年3月26日に法制審議会のもとで発足した人名用漢字部会は、常用漢字や人名用漢字の異体字であっても、「常用平易」な漢字であれば人名用漢字として追加する、という方針を打ち出しました。この方針にしたがって人名用漢字部会は、当時最新の漢字コード規格JIS X 0213(平成16年2月20日改正版)、平成12年3月に文化庁が書籍385誌に対しておこなった漢字出現頻度数調査、全国の出生届窓口で平成2年以降に不受理とされた漢字、の3つをもとに審議をおこないました。でも新字の「𠮷」は、出現頻度回数調査の結果が114回だったものの、JIS X 0213に収録されていなかったため、人名用漢字の追加候補になりませんでした。

この結果、現在に至っても、旧字の「吉」は常用漢字なので出生届に書いてOKですが、新字の「𠮷」はダメなのです。


【筆者プロフィール】
安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター准教授。
京都大学博士(工学)。JIS X 0213の制定および改正で委員を務め、その際に人名用漢字の新字旧字を徹底調査するハメになった。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)、『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。
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人名用漢字の新字旧字:「𫞂」と「曜」

2011年 5月 5日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第85回 「𫞂」と「

085you-new.png新字の「𫞂」(日へんに玉)は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。旧字の「」(右上が羽)は、やっぱり常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。新字の「𫞂」も旧字の「」も、出生届に書いてはダメで、新字でも旧字でもない「曜」(右上がヨヨ)だけがOKなのです。

085you-old.png昭和23年1月1日の戸籍法改正時点では、当用漢字表には、旧字の「」(右上が羽)が収録されていました。この時点では、旧字の「」だけが出生届に書いてOKで、新字の「𫞂」も「曜」もダメだったのです。これに対し、昭和24年4月28日に内閣告示された当用漢字字体表では、右上がヨヨになった「曜」が収録されていました。この結果、右上が羽の「」と、右上がヨヨの「曜」は、どちらも子供の名づけに使えるようになりましたが、新字の「𫞂」(日へんに玉)だけはダメでした。

昭和38年10月11日、国語審議会は「これまでの国語政策について」を報告しました。この報告の中で国語審議会は、当用漢字字体表のさらなる改善に触れていました。「曜」の代わりに、新字の「𫞂」を採用した方が、むしろ漢字を広く生かすことができる、と言うのです。しかしこの問題は、委員の中にも賛否両論があって、なかなか審議が進みませんでした。昭和52年1月21日、国語審議会は新漢字表試案を発表しますが、字体の簡略化をさらに押し進めるかどうかは、委員の中でも意見にまだ揺れがあったのです。

そこで文化庁は、昭和52年8月に、国語に関する世論調査をおこないました。「国民のことばについての意識を主として、漢字を中心に調査し、今後の施策の参考とする」ためのもので、全国20歳以上の10000人が対象でした。この世論調査の中に、以下の設問が含まれていました。

あなたは,ふだん文字を書く時,「にちよう」については,どちらを書くことが多いでしょうか。

  • 「日曜」
  • 「日𫞂」
  • わからない

「日曜」(右上がヨヨ)と「日𫞂」(日へんに玉)を選択肢に含めておきながら、「日」(右上が羽)は外しておく、という巧妙な設問設定だったのです。世論調査の結果は、「日曜」76%、「日𫞂」20%、「わからない」4%でした。

昭和56年3月23日、国語審議会は常用漢字表を答申しました。常用漢字表には「曜」が収録されていて、新字の「𫞂」も旧字の「」も含まれていませんでした。これを受けて民事行政審議会は、昭和56年5月14日、常用漢字表の「曜」は子供の名づけに認めるが、新字の「𫞂」も旧字の「」も子供の名づけに認めない、という答申をおこないました。昭和56年10月1日、常用漢字表が内閣告示されると同時に、戸籍法施行規則も改正され、当用漢字表の「」は子供の名づけに使えなくなりました。それが現在も続いていて、「曜」は出生届に書いてOKですが、新字の「𫞂」も旧字の「」もダメなのです。


【筆者プロフィール】
安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター准教授。
京都大学博士(工学)。JIS X 0213の制定および改正で委員を務め、その際に人名用漢字の新字旧字を徹底調査するハメになった。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)、『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。
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人名用漢字の新字旧字:「髙」と「高」

2011年 4月 21日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第84回 「髙」と「高」

084taka-new.png旧字の「高」は、常用漢字なので、子供の名づけに使えます。新字の「髙」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。つまり、「高」は出生届に書いてOKですが、「髙」はダメ。ちなみに「髙」と「高」は、実は新字旧字の関係ではないのですが、ここではあえて、「髙」を新字、「高」を旧字と呼ぶことにしましょう。

昭和21年11月16日に内閣告示された当用漢字表には、旧字の「高」が収録されていました。ただし、当用漢字表のまえがきには「字体と音訓の整理については、調査中である」と書かれていました。当用漢字表の字体は、まだ変更される可能性があったのです。字体の整理をおこなうべく、文部省教科書局国語課は昭和22年7月15日、活字字体整理に関する協議会を発足させました。活字字体整理に関する協議会は、昭和22年10月10日に活字字体整理案を国語審議会に報告しました。活字字体整理案の目的は、当用漢字の部分字体の統一にありました。「面」と同じ部分字体にするために、「回」を「」に、「高」を「髙」に整理することが提案されていたのです。

報告を受けた国語審議会では、昭和22年12月から昭和23年5月にかけて、字体整理に関する主査委員会を組織しました。主査委員会では、ところが、当用漢字の画数を減らす方向で議論が進みました。活字字体整理案で画数が増えてしまっていた「」や「髙」は、「回」や「高」に戻すことになったのです。この間、昭和23年1月1日に戸籍法が改正され、子供の名づけに使える漢字が、当用漢字表1850字に制限されました。当用漢字表には、旧字の「高」が収録されていたので、「高」は子供の名づけに使ってよい漢字になりました。新字の「髙」は、子供の名づけに使えなくなりました。そして、昭和24年4月28日に内閣告示された当用漢字字体表にも、旧字の「高」が収録されていました。その後、常用漢字表の時代になっても、旧字の「高」だけが出生届に書いてOKで、新字の「髙」はダメでした。

平成16年3月26日に法制審議会のもとで発足した人名用漢字部会は、常用漢字や人名用漢字の異体字であっても、「常用平易」な漢字であれば人名用漢字として追加する、という方針を打ち出しました。この方針にしたがって人名用漢字部会は、当時最新の漢字コード規格JIS X 0213(平成16年2月20日改正版)、平成12年3月に文化庁が書籍385誌に対しておこなった漢字出現頻度数調査、全国の出生届窓口で平成2年以降に不受理とされた漢字、の3つをもとに審議をおこないました。新字の「髙」は、出現頻度回数調査の結果が288回だったものの、JIS X 0213に収録されていなかったため、人名用漢字の追加候補になりませんでした。

この結果、現在に至っても、旧字の「高」は常用漢字なので出生届に書いてOKですが、新字の「髙」はダメなのです。


【筆者プロフィール】
安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター准教授。
京都大学博士(工学)。JIS X 0213の制定および改正で委員を務め、その際に人名用漢字の新字旧字を徹底調査するハメになった。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)、『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。
http://slashdot.jp/~yasuoka/journal で、断続的に「日記」を更新中。


人名用漢字の新字旧字:「摂」と「攝」

2011年 4月 7日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第83回 「摂」と「攝」

新字の「摂」は、常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「攝」は、人名用漢字なので、やはり子供の名づけに使えます。つまり、新字の「摂」も旧字の「攝」も、出生届に書いてOK。でも、「摂」と「攝」の中にある「耳」の字体は、時代によってどんどん変わっていったのです。

083setsu-old1.png昭和21年11月5日に国語審議会が答申した当用漢字表は、手書きのガリ版刷りでしたが、旧字の「攝」が収録されていました。翌週11月16日に内閣告示された当用漢字表も、旧字の「攝」でした。昭和23年1月1日の戸籍法改正で、子供の名づけに使える漢字は、この時点の当用漢字表1850字に制限され、旧字の「攝」が子供の名づけに使ってよい漢字になりました。

083setsu-new1.png昭和23年6月1日、国語審議会は当用漢字字体表を答申しました。当用漢字字体表では、旧字の「攝」に代えて、新字の「摂」が収録されていました。昭和24年4月28日に、この当用漢字字体表が内閣告示された結果、新字の「摂」が当用漢字となり、旧字の「攝」は当用漢字ではなくなってしまいました。当用漢字表にある旧字の「攝」と、当用漢字字体表にある新字の「摂」と、どちらが子供の名づけに使えるのかが問題になりましたが、この問題に対し法務府民事局は、旧字の「攝」も新字の「摂」もどちらも子供の名づけに使ってよい、と回答しました(昭和24年6月29日)。

083setsu-old2.png昭和56年3月23日、国語審議会は常用漢字表を答申しました。常用漢字表の「摂」には、カッコ書きで「攝」が添えられていました。つまり、「摂(攝)」となっていたのです。新字の「摂」の「耳」は突き抜けていたのですが、ところがカッコ書きの「攝」の「耳」は全て、突き抜けない字体となっていました。その意味では、旧字の「攝」の字体は、当用漢字表と常用漢字表とで変更されていたのです。

これを受けて民事行政審議会は、昭和56年5月14日、常用漢字表の「摂」と「攝」の両方を子供の名づけに認める、という答申をおこないました。すなわち、「耳」が突き出る「摂」と、「耳」が突き出ない「攝」が、子供の名づけに認められたのです。昭和56年10月1日、常用漢字表が内閣告示されると同時に、戸籍法施行規則も改正され、当用漢字表の「攝」(「耳」が突き抜ける)は、常用漢字表のカッコ書きの「攝」(「耳」が突き抜けない)に変更されました。ただし、新字の「摂」は、「耳」が突き抜ける字体のままでした。

083setsu-new2.pngところが、平成22年6月7日に文化審議会が答申した改定常用漢字表では、やはり「摂(攝)」となっていたものの、新字の「摂」の字体が変更されていました。「摂」も「攝」も、どちらも「耳」が突き抜けない字体になっていたのです。平成22年11月30日、新しい常用漢字表が内閣告示されると同時に、戸籍法施行規則も改正され、子供の名づけに使える新字の「摂」は、「耳」が突き抜ける字体から「耳」が突き出ない字体へと変更されました。それが現在も続いていて、新字の「摂」も旧字の「攝」も出生届に書いてOKなのですが、どちらも中の「耳」が突き出ない字体なのです。


【筆者プロフィール】
安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター准教授。
京都大学博士(工学)。JIS X 0213の制定および改正で委員を務め、その際に人名用漢字の新字旧字を徹底調査するハメになった。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)、『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。
http://slashdot.jp/~yasuoka/journal で、断続的に「日記」を更新中。


人名用漢字の新字旧字:人名用漢字の源流(最終回)

2011年 3月 24日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

人名用漢字の源流(最終回)

(第5回からつづく)

今月24日に『新しい常用漢字と人名用漢字』が発売されます。出版記念と言っては何ですが、第1章「常用漢字と人名用漢字の歴史」の内容を要約したり、あるいはちょっと脱線してみたりしながら、人名用漢字の源流を全6回で追ってみたいと思います。

戸籍法第50条改正案の顛末

人名用漢字別表の内閣告示に際しても、衆議院法務委員会は、まだ戸籍法第50条改正案に固執していました。そして、昭和26年6月5日の衆議院議院運営委員会で反撃に出ます。憲法第59条により、参議院送付後60日間が過ぎれば、衆議院で再可決をおこなうことで、法律を通過させることができます。いくら参議院が審議未了で廃案を狙っていたとしても、衆議院が3分の2以上の賛成で再可決すれば、戸籍法第50条改正案は成立してしまうのです。戸籍法第50条が改正されてしまえば、当用漢字表も人名用漢字別表も関係なく、子供の名づけにどんな漢字でも使えるようになってしまいます。

第五十条    子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。
   常用平易な文字の範囲は、命令でこれを定める。
   市町村長は、出生の届出において子の名に前項の範囲外の文字を用いてある場合には、届出人に対してその旨を注意することができる。但し、届出人がこれに従わなくともその届出を受理しなければならない。

議院運営委員会の決定に驚いた文部事務次官の日高第四郎は、即座に、官房副長官で元国語審議会委員の剱木亨弘に泣きつきました。剱木は、昭和26年6月5日のその日のことを、のちにこう回想しています(『西日本新聞』昭和61年5月14日朝刊5頁)。

日高次官の話を聞いた私は「いまとなってはどうしようもない」とは思ったが、文部省を見殺しにもできない。最後の努力をしてみようと、自由党国会対策委員長の小沢佐重喜先生のところへ走った。衆院本会議が開会される直前だった。
「先生、戸籍法一部改正案の上程を何とか取りやめて下さい。これが成立すると文部省の国語政策は根本から崩れます。当用漢字制度の危機です」
「君、もうだめだ、全会一致で可決することに決まっている」
と、とりつくしまもない。私は、とっさに「剱木亨弘」の名刺を差し出して「私の名前をお読みいただけますか。読めたら引きさがります」とつけ加えた。
「ケンノキ、は分かる」「いや下の名前です」「分からんなあ」―ここまで問答が進んだところで、私は開き直った。
「私の父がつけた名前ですが、今日まで一度も正確に読んでもらったことがありません。改正案は、子供の名前をつけるのは親の基本的人権だという理由ですが、子供の人権はだれが守ってくれるのですか。人が読めもしない名前を親の勝手でつけていいものでしょうか。子供の人権こそ国が守ってやるべきです。私の名前は“としひろ”です。亨(とおる)をもじって“とし”と読むのです」と言って、可決阻止をお願いした。
小沢先生が各党の了解をとり、法案の本会議上程中止が決まった時は、もう開会のベルが鳴っていた。危機一髪。「亨弘」の名刺が当用漢字を守った。

戸籍法第50条改正案は、審議未了で廃案となりました。出生届に書ける漢字は、当用漢字表と人名用漢字別表に限定されたままとなりました。子供の名づけに対する漢字制限は、こうして死守されたのです。

それから60年、時代の波に翻弄されて、人名用漢字はどんどん変化していきました。人名用漢字はどのような原因でどう変化していったのか。そして人名用漢字は日本の社会にどういう影響を及ぼしていったのか。それらについては、ぜひ『新しい常用漢字と人名用漢字』を御一読ください。


【筆者プロフィール】
安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター准教授。
京都大学博士(工学)。JIS X 0213の制定および改正で委員を務め、その際に人名用漢字の新字旧字を徹底調査するハメになった。著書に『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)、『文字コードの世界』(東京電機大学出版局)、『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。
http://slashdot.jp/~yasuoka/journal で、断続的に「日記」を更新中。


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