地域語の経済と社会 第187回「いいじゃんくまもと」の方言借用 Dialect borrowing in “Ii-jan Kumamoto”
2012年 2月 4日 土曜日 筆者: 井上 史雄地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第187回「いいじゃんくまもと」の方言借用
Dialect borrowing in “Ii-jan Kumamoto”
羽田からのモノレールで、方言広告に気が付きました。
「いいじゃん天草 いいじゃんくまもと いいじゃん阿蘇」
と書いてあります。以下のような事情で、広告の原図が手に入りました。今は見られませんから、特別にお目にかけます【写真1】。
さて、「じゃん」は山梨(または愛知県三河)起源とされ、横浜から東京に伝わり、今全国に広がっています。広島では「ええじゃん広島」をキャッチフレーズにしていました【第27回】。「じゃん」はついに熊本にまで達したのかと思いました。
思いついて熊本県観光課をネットで探して、問い合わせました。熊本市シティプロモーション課で広告を出したことを教えてくれました。そこに以下のようなメールを出しました。
《「じゃん」を使ったのは、熊本で使っているからでしょうか、それとも羽田に近い横浜の方言として有名だと判断したのでしょうか。》
すぐに返事が来ました。
《主に首都圏で使われる表現ということで使用致しました。あえて当地域の方言を使用せず、広告を掲出する地域の方の共感を誘う手法を用いておりますため、首都圏の皆さまに向けて「いいじゃん」という表現を使用した次第です。》
広告などで別の地域の方言を借用する例は、この連載第153回、第175回でも扱われています。また、『日本語学』(2009年1月号)のエッセイ「ことばの散歩道」128回でも九州の「うまかんべ」と千葉の「うまか」を報告しました。
「方言リアリズム」が崩れたわけです。そういえば広島県宮島で「これは うまいじゃ しゃもじ」というお菓子を見つけました【写真2】。買ったあと店の人に聞いたら、「うまいじゃ」とは言わないそうです。でも広島めかした言い方だと考えればいいし、食べてみたらおいしかったから、許しましょう。
* * *
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【筆者プロフィール】
言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)

井上史雄(いのうえ・ふみお)
明海大学外国語学部教授。博士(文学)。専門は、社会言語学・方言学。研究テーマは、現代の「新方言」、方言イメージ、言語の市場価値など。
履歴・業績 http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/inouef/
英語論文 http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/affil/person/inoue_fumio/
「新方言」の唱導とその一連の研究に対して、第13回金田一京助博士記念賞を受賞。著書に『日本語ウォッチング』(岩波新書)、『変わる方言 動く標準語』(ちくま新書)、『日本語の値段』(大修館)、『言語楽さんぽ』『計量的方言区画』『社会方言学論考―新方言の基盤』『経済言語学論考 言語・方言・敬語の値打ち』(以上、明治書院)、『辞典〈新しい日本語〉』(共著、東洋書林)などがある。
* * *
【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
方言みやげやグッズから見えてくる、「地域語の経済と社会」とは。方言研究の第一線でご活躍中の先生方によるリレー連載の始まりです。
この連載への質問、また「ここでこんな方言みやげ・グッズを見た」などの情報は、問い合わせフォーム( http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/support/question.html )から、「地域語の経済と社会」への質問・情報である旨を記してご投稿ください。
地域語の経済と社会 第186回 「続続土佐日記」
2012年 1月 28日 土曜日 筆者: 田中 宣廣地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第186回 「続続土佐日記」
高知で調査した方言の拡張活用例の報告の3回目です。
高知方言の「こじゃんと」を取り上げます。
「こじゃんと」には,二つの意味があります。一つは,数もしくは量の多いこと(共通語なら「たくさん」)です。もう一つは,程度の甚だしいこと(共通語なら「とても」)です。「こじゃんと」は,二つの意味の両方ともで,拡張活用されています。

左:【写真1 龍馬も雅治も『こじゃんと』】
右:【写真2 大とっくりで『こじゃんと』】

【写真3 『こじゃんと』おるき】

【写真4 子どもも『こじゃんと』】

【写真5 『こじゃんと』安心】

【写真6 締めは『こじゃんと』】
はじめに,数また量の多いことの拡張活用例です。まず,“「龍馬」も?「雅治」も『こじゃんと』飲みゆう”【写真1】は,一昨年のNHK大河ドラマに重ねたメッセージですね。(用例の引用に『こじゃんと』は,二重カギ括弧『 』で挟みます。以降同じです)“『こじゃんと』飲んでよ”【写真2】も,同じような用法です。また,“土佐の海には旨い魚が『こじゃんと』おるき ”【写真3】と,食品そのものでなく,食材でのアピールも,とても興味深い用例です。
次に,程度の甚だしいことの拡張活用例です。まず,土佐名物「(カツオなど魚の)たたき」の広告です。“いろんな魚をタタキで食べたら『こじゃんと』おいしい!”【写真4】は,女の子,つまり,子どもに発言させた例です。方言は古いもの,あるいは,年寄りだけのもの,という先入観を逆手にとった(もしくは,誤りとしての先入観を正した)拡張活用法だと思います。これは,幟になっていますが,卓上版もあります【写真4をクリックして表示】。また,共済の広告“『こじゃんと』! 安心!”【写真5】は,高知出身者ではない私から見ましても,高知の人が本当に全面的に頼って安心する感じがよく伝わってきます。おしまいの例は,一昨年(2010年)1月に開催されました「土佐・龍馬 であい博」のポスターです。“高知は『こじゃんと』うまい!”とありますが,「こじゃんと」のところだけ白抜きにして強調しています【写真6】。ポスターの大部分を,いろいろな高知方言で表現し,結びのまさしく《締め》に「こじゃんと」を使っています。この使い方からも,高知の人にとりまして「こじゃんと」は,代表的な高知方言(土佐弁)であることが理解できます。
なお,私は,高知出身の先輩より,昨年末に土佐文旦(とさぶんたん:柑橘果物の一種)を「こじゃんと」贈っていただきました。「こじゃんと」おいしいものでした。
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【筆者プロフィール】
言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)
田中宣廣(たなか・のぶひろ)
岩手県立大学 宮古短期大学部 准教授。博士(文学)。日本語の,アクセント構造の研究を中心に,地域の自然言語の実態を捉え,その構造や使用者の意識,また,形成過程について考察している。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。著書『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』(おうふう),『近代日本方言資料[郡誌編]』全8巻(共編著,港の人)など。2006年,『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』により,第34回金田一京助博士記念賞受賞。『Marquis Who’s Who in the World』(マークイズ世界著名人名鑑)掲載。
【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
方言みやげやグッズから見えてくる、「地域語の経済と社会」とは。方言研究の第一線でご活躍中の先生方によるリレー連載です。
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地域語の経済と社会 第185回 ご当地マスコットがしゃべった!
2012年 1月 21日 土曜日 筆者: 大橋 敦夫地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第185回 ご当地マスコットがしゃべった!
「ゆるキャラ」と称され、全国各地で親しまれているご当地マスコット。名産品などにちなんで作られるものが多い中にあって、ありそうでなかったのが、ご当地のコトバをしゃべるマスコット。
が、ありました!その名も「いまばりゆるきゃら バリィさん」(愛媛県今治市)。

【いまばりゆるきゃら バリィさん「ステッカー」】
2009年5月、瀬戸内しまなみ海道(尾道市~今治市)10周年を盛り上げようと製作されました。
焼き鳥日本一のまち・今治生まれということで、トリがモチーフ。今治タオルの腹巻をし、来島海峡大橋形の王冠をかぶり、手には船の形の財布を持っています。そして、今治地方の方言を使いこなすことも、大きな特徴とされています。
「いまばりのことしっとるで? なんでもきいとん おしえたるけん!」のセリフにたがわず、今治弁講座も開いてくれています。
このほかにも、ゴーフレット・クッキー・ドーナッツ・お酒・フィナンシェ・ふりかけ・Tシャツ・クリアファイル・カレンダー・年賀状・ぬいぐるみ・ストラップ・ノートといった提携商品が作られています。
あえて今治弁を語らせた点について、製作サイドでは、
「今治弁がどんなものなのか、たくさんの人に知ってもらいたいと思っています。それと同時に、今治から県外に出られている方々には、なつかしんでもらいたいと思っています。方言は、人の心をあたたかい気持ちにする力があると思いますので、これからも今治弁で話していくつもりです。」
とおっしゃっています。
東京都内のアンテナショップでも、懐かしがっているお客さんが多く、地元で親しまれているマスコットだということがよくわかります。
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【筆者プロフィール】
言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)
大橋敦夫(おおはし・あつお)
上田女子短期大学総合文化学科教授。上智大学国文学科、同大学院国文学博士課程単位取得退学。
専攻は国語史。近代日本語の歴史に興味を持ち、「外から見た日本語」の特質をテーマに、日本語教育に取り組む。共著に『新版文章構成法』(東海大学出版会)、監修したものに『3日でわかる古典文学』(ダイヤモンド社)、『今さら聞けない! 正しい日本語の使い方【総まとめ編】』(永岡書店)がある。
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地域語の経済と社会 第184回 広島の方言
2012年 1月 14日 土曜日 筆者: 山下 暁美地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第184回 広島の方言
勢い良く自転車を走らせているのは、競輪のポスターです【写真1】。「ぶちカマシチャリんさい。」の広島弁の説明も書かれていたのでそれを参考にご紹介します。「ぶち」は「すごく、とても」など、強調の表現で「ぶちはがええ」(すごく腹が立つ)などと言います。
「カマシ」はチャンスをねらって一気にスパートをかける戦法を意味します。また「~シチャリんさい」は「~してあげなさい」というやさしい命令形です。親しい相手を励ましているようです。「チャリ」(自転車・チャリンコの略・詳しくは第43回参照)と「~シチャリ」(~してやり)をかけています。
「のりんさいくる」【写真2】もよく似た例です。「乗りんさい」(乗りなさい)と「サイクル」(自転車)に方言をじょうずに乗せています。
さて、次の【写真3】はおみやげとして販売されていました。真っ赤な布にハートマークの鯉が泳いで、「恋じゃけえ」と書かれています。宮島のもみじも描かれています。広島弁は「じゃけえ」「じゃけん」「じゃけえの」(だから)などを文末に使います。
「はんざき」【写真4】というのは「オオサンショウウオ」の別名ですが、広島市に日本一大きいオオサンショウウオの標本があることから、「はんざき」のいろいろな動作が広島の方言絵葉書で紹介されています。「はんざき」とは、からだを半分に裂いても生きていそうだからとか、からだが半分にさけるほど口が大きいなどという由来があります。
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【筆者プロフィール】
言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)

山下暁美(やました・あけみ)
明海大学外国語学部・大学院応用言語学研究科教授。博士(学術)。
専門は、日本語教育学・社会言語学。研究テーマは、移民百年を迎えた、ブラジル、アメリカ合衆国などにおける日本語の変化、外国人の日本定住化による共生時代の日本語教育政策。
著書に『書き込み式でよくわかる日本語教育文法講義ノート』(共著、アルク)、『海外の日本語の新しい言語秩序』(単著、三元社)、『スキルアップ文章表現』(共著、おうふう)、『スキルアップ日本語表現』(単著、おうふう)、『解説日本語教育史年表(Excel 年表データ付)』(単著、国書刊行会)、『ふしぎびっくり語源博物館4 歴史・芸能・遊びのことば』(共著、ほるぷ出版)などがある。
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地域語の経済と社会 第183回 「「けん」を競う大分の方言」
2012年 1月 7日 土曜日 筆者: 日高 貢一郎地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第183回 「「けん」を競う大分の方言」
大分県の観光情報を発信している「ツーリズムおおいた」(旧 大分県観光協会)では、大分空港開港40周年を記念し、空港の利用を促進するために、昨年=平成23年10月からことしの3月まで、多くの人たちにぜひ大分に来てほしい、実際に大分を回ってそのよさを知ってほしいというアピールのひとつとして、『まっちょるけん おおいた』という冊子を作ってキャンペーンを展開しています。
「まっちょる」は〔待っている〕、「けん」は〔~から、~ので〕に当たり、〔(皆さんを)待っているので、(ぜひ)大分(県においでください)〕という意味ですが、「けん」はチケットの意味の〔券〕にもかけてあります。(第38回で紹介した福岡の乗車カード「はやかけん」も、〔早いから〕という意味と、チケットの〔券〕との掛けことばになっていました)
表紙には「九州大分は意外に近い! 大分にしかない、大分だけの魅力がてんこ盛り。旅のプランはあなた次第。」とあり、裏表紙には命名の由来が……。「「けん」には、「大分県」の「県」と、クーポン券の「券」、そして「心を込めてお待ちしています」という「まっちょるけん」の意味合いが込められています」と述べられています。
A5判30ページの冊子には、食事代や利用額が5%~10%OFFになったり、施設によっては入園料が20%OFFになったり、通常の宿泊料金から3150円引きの宿があったりと、活用するとお得なクーポン付き「まっちょる券」が55枚収録されています。
同様な例として、平成21年には、大分市観光協会が『たべてみるけん いってみるけん おおいた虎の巻』という、小型の紹介冊子2冊を作っています。
このうちの『食 たべてみるけん』の冊子には「大分ふぐ、関あじ・関さば、とり天… 大分ならではの味が楽しめる 全54店」の情報が、また『楽 いってみるけん』には「近場の穴場から県内各エリアまで 2時間~日帰りで行ける 全22コース」が紹介されており、この2冊が赤くて目立つ1つのケースに入れられています。

【写真2 NHK大分放送局のキャンペーンのロゴ】
(写真提供:NHK大分放送局)
また、分野は違いますが、地域密着をめざすNHK大分放送局も、開局70周年記念のキャンペーンとして、平成23年4月から「しんけん 好きやけん おおいたけん」=〔本当にすきだから 大分県〕というキャッチフレーズで局としての姿勢と意気込みを表現し、「ぜひ大分放送局の作った番組を見てください」と呼びかけています。
こちらは、「―けん、―けん、―けん」と、韻を踏んで「けん」の3段重ねになっています。
「しんけん」は「しらしんけん、しゅらしんけん」が転じたもので、大分では〔非常に、本当に、一生懸命に〕の意味でいちばん広く使われている、強調のことばの代表例です。(第18回「大分国体と方言」、第108回「大分のローカルヒーロー」も参照)
このキャッチフレーズを活かし、「しんけん好きなもの」というテーマで県内の全18市町村を取材。各地域・各世代の人々やグループに数多く登場してもらい、番組と番組の間の短い時間を活用して、30秒の「ミニ番組」として放送しました。
その多くは方言を交えながら自分たちの日頃の活動などを紹介。そして最後には「○○に来ちょくれ~」〔~に来てくださ~い〕とか、「□□を食べに来んかえ~」〔□□を食べに来ませんか~?〕といったお誘いやメッセージで結んでおり、実に1000人以上の人たちが画面に登場しているということです。
《参考》
①社団法人ツーリズムおおいたの『まっちょるけん おおいた』は、
http://www.visit-oita.jp/info/kamihanki/machoruken.htmlで、
②大分市観光協会の『おおいた虎の巻』は「パンフNavi」で見ることができます。http://www.pamph-navi.jp/art/view_dynamic/pdfView.php?src=pam10007694。
また、③NHK大分放送局のホームページは http://www.nhk.or.jp/oita/を参照。
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日高貢一郎(ひだか・こういちろう)
大分大学 教育福祉科学部 教授(国語学・方言学) 宮崎県出身。これまであまり他の研究者が取り上げなかったような分野やテーマを開拓したいと、“すき間産業のフロンティア”をめざす。「マスコミにおける方言の実態」(1986)、「宮崎県における方言グッズ」(1991)、「「~されてください」考」(1996)、「方言の有効活用」(1996)、「医療・福祉と方言学」(2002)、「方言によるネーミング」(2005)、「福祉社会と方言の役割」(2007)など。
【編集部から】
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方言研究の第一線でご活躍中の先生方によるリレー連載。
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地域語の経済と社会 第182回 方言聖書(山浦訳)とグロータース神父 Dialect translation of The Bible (by Dr Yamaura) and Reverend Willem A. Grootaers
2011年 12月 24日 土曜日 筆者: 井上 史雄地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第182回 方言聖書(山浦訳)とグロータース神父
Dialect translation of The Bible (by Dr Yamaura) and Reverend Willem A. Grootaers
『ガリラヤのイェシュー』という本が出ました。新約聖書の訳です。全国各地の方言を使い分けて、当時の多言語状況を、生き生きと写しています。このシリーズで扱っている「見える方言」のうちの、方言本(第48回、第53回)の一つです。聖書は、文語訳より口語訳が分かりやすいのですが、それよりもこの方言訳は、中身に納得が行きます。【写真】のマルコ伝では、街の人は京都弁で、キリストの弟子ペトロは岩手県大船渡付近のケセン語で話しています。肝心のイエスキリストも「ガリラヤの里言葉」としてのケセン語を話します。
発行はイー・ピックス出版という会社で、インターネットで注文できます。
»»http://www.epix.co.jp/book-yamaura.html
この会社では、『ケセン語訳聖書』を朗読CD付きで出しました。東日本大震災の津波で倉庫が水につかりましたが、包装されていた聖書は無事でした。「お水くぐりの聖書」としてテレビにも登場し、ほぼ完売したようです。
著者の山浦玄嗣(はるつぐ)さんは熱心なクリスチャンの医師で、大津波の被害にもめげず、被災者の診察で大活躍しました。
方言研究とキリスト教というと、もう一人思い浮かびます。グロータース(Willem A. Grootaers)さんです。カトリックの神父が本業ですが、日本にキリスト教以外に方言地理学(言語地理学)も広めました。2011年は生誕100年にあたりますが、まったく偶然に三つの異なった言語での紹介文が書かれました。神の采配でしょうか。日本語の紹介論文「新日本語学者列伝 グロータース」(沢木幹栄)は、雑誌「日本語学」11月号に載っています。
他はインターネットで読めます。一つは英語で、インターネットジャーナルDialctologiaに載ったものです。
»»”First dialectologists Willem A. GROOTAERS”. (PDFファイル〔89.8KB〕)
もう一つはオランダ語で、以下で見られます。画像が多いので、中身の見当がつきます。オランダ語で書いてあっても理解できたという、満足感にひたれます。
»»Auwera (2011) “Belgische taalkundigen in de wereld”. (powerpoint2010ファイル〔7.7MB〕)
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地域語の経済と社会 第181回 「続土佐日記」
2011年 12月 17日 土曜日 筆者: 田中 宣廣地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第181回 「続土佐日記」
高知で調査した方言の拡張活用例の報告の続きです。
高知県出身の若者(特に県外の大学に進学している高知県出身の大学生)に,ふるさとに戻って就職してもらうための,幟がありました。私は,勤務校で学生の就職支援の担当をしているので,高知市内のジョブカフェに立ち寄り,すぐ目に止まりました。
「帰ろう! 変えろう!」です【写真1】。全く同音の二つの文で,リズムを出しています。(左の「高知県」とは,これが県庁の事業なので,実施主体名を示しているもので,メッセージとは別のものです)殊に,その第2文において高知方言をとても上手に活用することにより,全体として,「ふるさとに戻って来て将来も高知県を支えてもらいたい」という意図が,高知県出身の若者によく伝わる方言メッセージとなっています。
第1文の「帰ろう」は共通語と同じですね。第2文の「変えろう」は,共通語では「変えよう」となるところですね。動詞「変える」が下一段活用なので,共通語では勧誘の助動詞は「―よう」が着きます。高知方言では,そこが違うのです。
「変える」のような一段活用動詞の,意志勧誘の表現では「―ろう」が着きます。この事象について,共通語との違いは,意志勧誘の助動詞の違い(「―よう」と「―ろう」)と見るか,鹿児島方言などのような,共通語で一段活用の動詞のなかの,「ラ行五段活用」になっている例と見るかは,意見が分かれます。というのは,鹿児島方言などでは,全活用形を通して五段活用化が認められるのに対し,高知方言では,意志勧誘表現だけにラ行(ロ)が出てくるからです。もし,「変えらん」「見らん」「食べらん」(打ち消し)などの例があれば,五段活用化とはっきりするのですが,高知では,「変えん」「見ん」「食べん」となりますので,助動詞の違いという考えも出てくるのです。このような高知方言の事象を,上手に活用した方言メッセージとなっています。
なお,高知県庁のウェブページ内でも,このメッセージと趣旨について説明しています。URLは,http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/151301/kaerou.htmlです。
また,この幟は,ジョブカフェで扱っている職種(事務系や営業系)のほか,第一次産業にもあり,各業種で色を変え,全部で5種類あります【写真2】。高知空港のロビーに全種類掲示されていました。
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(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)
田中宣廣(たなか・のぶひろ)
岩手県立大学 宮古短期大学部 准教授。博士(文学)。日本語の,アクセント構造の研究を中心に,地域の自然言語の実態を捉え,その構造や使用者の意識,また,形成過程について考察している。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。著書『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』(おうふう),『近代日本方言資料[郡誌編]』全8巻(共編著,港の人)など。2006年,『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』により,第34回金田一京助博士記念賞受賞。『Marquis Who’s Who in the World』(マークイズ世界著名人名鑑)掲載。
【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
方言みやげやグッズから見えてくる、「地域語の経済と社会」とは。方言研究の第一線でご活躍中の先生方によるリレー連載です。
この連載への質問、また「ここでこんな方言みやげ・グッズを見た」などの情報は、問い合わせフォーム( http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/support/question.html )から、「地域語の経済と社会」への質問・情報である旨を記してご投稿ください。
地域語の経済と社会 第180回 おもてなしの気持ちを方言にこめて(長野市)
2011年 12月 10日 土曜日 筆者: 大橋 敦夫地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第180回 おもてなしの気持ちを方言にこめて(長野市)
長野市内では、毎年2か所にスポットがあてられ、観光地を積極的にPRしています。今年は、信州新町と篠ノ井。それぞれ「2011信州新町イヤー」「2011篠ノ井イヤー」のスローガンのもと、さまざまな催し物が企画され、観光客の呼び込みを期待しています。
信州新町のポスターやチラシでは、「寄ってけさ」「くつろいでけさ」と呼びかけています。「さ」は、共通語では「よ」に相当し、勧誘の文には付きにくいとされています。が、「さ」が付くと、暖かみが増すように感じられますが、いかがでしょうか。新町を「心町」と表現している点とあわせて、製作者のねらいがこのあたりにあるようですね。
一方、篠ノ井には、駅前商店街のなかに、「駅前案内所・お休み処 およんなし亭」が開設されています。

【およんなし亭の入り口柱と看板】
「どうぞお寄んなして」[=どうぞお寄りください]にかけた命名で、「当地の最高のホスピタリティをあらわす言葉として名づけました。」とは、内山 一氏(篠ノ井地区まちづくり研究会会長)の弁。
「観光客の方はもちろん、地元の方にも向けた表現・施設で、お気軽にご利用ください。」との由。
寒さの折から、皆様、信州へ心も暖まりに、どうぞおよんなして。
なお、類例が第133回で紹介されています。
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【筆者プロフィール】
言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)
大橋敦夫(おおはし・あつお)
上田女子短期大学総合文化学科教授。上智大学国文学科、同大学院国文学博士課程単位取得退学。
専攻は国語史。近代日本語の歴史に興味を持ち、「外から見た日本語」の特質をテーマに、日本語教育に取り組む。共著に『新版文章構成法』(東海大学出版会)、監修したものに『3日でわかる古典文学』(ダイヤモンド社)、『今さら聞けない! 正しい日本語の使い方【総まとめ編】』(永岡書店)がある。
【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
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地域語の経済と社会 第179回 男の方言・女の方言
2011年 12月 3日 土曜日 筆者: 山下 暁美地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第179回 男の方言・女の方言
昨年、NHK大河ドラマ「龍馬伝」が放送されました。福山雅治さん演じる坂本龍馬は、本物に比べると随分男っぷりがよくなりました。奥さんのおりょうさんもさぞ満足だったでしょう。教科書等でおなじみの龍馬は、小柄で痩せ型、ふところに右手を入れ、台にもたれかかっています。一説によると写真でふところに手を入れているのは、銃を持っていたからだと言われています。男優の福山さんが「団子屋でまっちゅうぜよ」などといえば、おりょうさんでなくても多くの女性が団子屋へ押しかけることうけあいです。「おー 今日も待ちよったぜよ。悩みがあるがか? 何でもゆーたらえいがよ」(第113回参照)などと言って日本中のふがいない男性の代弁をしてくれます。
このように「龍馬伝」では、土佐方言が多く使われていました。昨年は、観光客も増加して市内では今も多くの方言が見うけられます(第176回参照)。例えば「心はいつも太平洋ぜよ」【写真1】と工事現場に貼られていました。高知県は太平洋に面していて、空港には「カツオやけん たべてみいや うまいけん」【写真2】とカツオの宣伝がありました。方言番付の扇子も見つけました【写真3】。龍馬のイメージにぴったりの「~ぜよ」【写真4】は、絵葉書になっています。左手に銃をかざした龍馬ですが、「I was born in Kochiぜよ。」と読むのでしょうか。なるほど方言と英語のコラボレーションです。とても男性的なイメージの強い方言です。
このシリーズでは、これまでさまざまな方言グッズが紹介されてきました。その中から78の方言について、それぞれの方言を聞いたとして、話し手が男性をイメージするか、女性をイメージするか、関東出身の大学生14名に共通語訳をつけてたずねました。男性をイメージするという人が多かったのは、土佐方言の「うまいぜよ・待っちゅうぜよ」、大阪方言の「すんまへん・どないやねん・好っきゃねん・ええか・ごっついな」、石川方言の「乗らんけ」、宮崎方言の「どげんかせんといかん」などでした。一方、女性をイメージする方言の例は、京都方言の「おこしやす・そうどすえ・おいでやす」、山口方言の「おいでませ」、宮崎方言の「よう来たなせえ」などでした。茨城方言の「暑かっペ」や福島方言の「休んでいがんしょ」、山形方言の「なんじょだべ」(いかがですか)など、東北方言は、どちらともいえないという回答が多かったです。
同じ男性をイメージする方言でも土佐方言は、志士にぴったりという印象を受けるのに対して、大阪方言は、どことなく腰の低い商人文化を思わせる一面があるようです。
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【筆者プロフィール】
言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)

山下暁美(やました・あけみ)
明海大学外国語学部・大学院応用言語学研究科教授。博士(学術)。
専門は、日本語教育学・社会言語学。研究テーマは、移民百年を迎えた、ブラジル、アメリカ合衆国などにおける日本語の変化、外国人の日本定住化による共生時代の日本語教育政策。
著書に『書き込み式でよくわかる日本語教育文法講義ノート』(共著、アルク)、『海外の日本語の新しい言語秩序』(単著、三元社)、『スキルアップ文章表現』(共著、おうふう)、『スキルアップ日本語表現』(単著、おうふう)、『解説日本語教育史年表(Excel 年表データ付)』(単著、国書刊行会)、『ふしぎびっくり語源博物館4 歴史・芸能・遊びのことば』(共著、ほるぷ出版)などがある。
【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
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地域語の経済と社会 第178回 「方言ネクタイはいかが?」
2011年 11月 26日 土曜日 筆者: 日高 貢一郎地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第178回 「方言ネクタイはいかが?」
男性のおしゃれで特に目立つのは、ネクタイでしょう。色・柄・デザイン・素材・大きさ(幅)などにその人のセンスや好みが表れますし、ずいぶん印象が違ってきます。
ちょっと変わり種のネクタイとして、「方言」をあしらったものがあります。
以前(平成6年)、大阪なんばの高島屋デパートが、父の日のプレゼント用などにと、おもしろ企画として、大阪の名物=タコ焼きや、けつねうどん、通天閣、関西空港、などをデザインしたネクタイと並んで、「方言ネクタイ」を何種類も作って大変話題になったことがありました。(詳しくは、日本方言研究会編『方言の現在』所収の拙稿「方言の有効活用」を参照)
おそらく全国的には同様な“ご当地ネクタイ”がいろいろ登場しているだろうと思いますが、そのひとつ、金沢の「方言ネクタイ」を手に入れました。
パッと見ただけでは「方言」とは気づかないかもしれませんが、目を近づけてよ~く見てみると、次のような方言が実にたくさん、ネクタイの全面に斜めにびっしりと並んでおり、それに太字で書いた語が混じっていて、変化を付けるアクセントになっています。
あだける あてがいな あのおんね あらみち あんか
いーじー いかなてて いさどい いじっかしい
うつぶらいかく うまそい うら えびす えんじょもん
おいだすばせ おいね おゆるっしゅ かさだかな
がっぱになる かやる がんこ きときと きまっし …
このネクタイは、金沢美術工芸大学の視覚デザイン専攻の学生たちが、金沢をアピールしたいとデザインしたものだそうで(平成17年)、方言版(エンジ・紺の2色)の他に、友禅流し、加賀鳶、加賀野菜、石川県の地図を図案化したものなどもあり、全部で6種類、色違いを入れると合計13のバラエティーが作られたとのこと。
正絹で2500円(+税)と手頃な価格設定もあって、地元の人たちにも、また観光客からも大変好評で、息長く売れ続けており、平成19年には第2弾も作られ、このときに方言版はピンク・紺・ダークグレーの3色に増えた由。
方言ネクタイには、書かれている方言とその意味がわかりやすいように、大剣(幅の広いほう)の内側にポケットを付けて小さな「方言のリスト」を入れる心配りまでされています。
それには「金沢弁―日本の共通語―English」の3つが対比されていて、「Let’s start step1 ア行」から「Finale! step7 ヤ行 so, you are a master of kanazawa dialect!!」まで、合計77語が紹介されています。
裏表紙には、「Let’s spread kanazawa dialect over the world 金沢弁を世界中に広めよう!」とあります。
その土地らしい名産品や、代表的な風景、建造物、食べ物などと並んで、地元の方言がネクタイに取り入れられ、それが男性の胸元を飾って地域PRの一助にもなっている……。
考えると、ちょっと楽しい遊び心の表現になっています。
《参考》 『北国新聞』(平成17年12月3日朝刊)で、このネクタイのことが紹介されました。また、金沢の古書店「近八書房」のブログでも、この新聞記事と方言ネクタイが写真入りで紹介されています。http://chikahachi.exblog.jp/2585953/
情報提供:加藤和夫・金沢大学教授
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【筆者プロフィール】
言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
井上史雄,大橋敦夫,田中宣廣,日高貢一郎,山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
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日高貢一郎(ひだか・こういちろう)
大分大学 教育福祉科学部 教授(国語学・方言学) 宮崎県出身。これまであまり他の研究者が取り上げなかったような分野やテーマを開拓したいと、“すき間産業のフロンティア”をめざす。「マスコミにおける方言の実態」(1986)、「宮崎県における方言グッズ」(1991)、「「~されてください」考」(1996)、「方言の有効活用」(1996)、「医療・福祉と方言学」(2002)、「方言によるネーミング」(2005)、「福祉社会と方言の役割」(2007)など。
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2007年









